2.4 必要経費の概要

所得税では所得の金額を10種類(給与所得、事業所得など)に分けますが、不動産所得、事業所得、雑所得については総収入金額から必要経費を控除した所得金額に対して所得税が課税されます。必要経費とはどのようなものか、その概要を解説します。

必要経費の概要

2種類の必要経費

所得税の必要経費には売上原価などのように収入に対応して発生するものと、販売費や一般管理費(例えば家賃や光熱費)などのように、収入にかかわらず時間の経過に応じて発生するものがあります。

必要経費の種類 具体例
収入に対応する必要経費
(収入に応じて発生する)
売上原価
総収入金額を得るため直接かかった費用
期間に対応する必要経費
(収入にかかわらず時間の経過に応じて発生する)
販売費、一般管理費
その他業務上の費用

支出ではなく、債務確定のタイミングで判断

所得税では必要経費は金銭等を支出した年ではなく、債務が確定した年の所得金額の計算上、収入金額から控除します(ただし、償却費は債務の確定に係わらず償却のルールにしたがって必要経費になります)。例えば2019年に事務所の修繕をした場合、たとえ2018年に代金を前払いで支払っていたとしても、必要経費になるのは2019年です。

債務が確定しているとは、具体的には次の1.~3.の全ての要件満たしているものをいいます。したがって、この3つの要件を満たしていれば代金の支払いの有無に係らず必要経費になる一方で、前払金や手付金は2.の要件を満たしていないため必要経費にはなりません。

債務確定の要件 具体例(事務所の修繕の場合)
1. 債務が成立している 修繕の契約(口頭の契約を含む)がある
2. 給付の原因となる事実が発生している 修繕が完了している
3. 金額を合理的に計算できる 請求書を受け取っている(または見積り金額がわかる)

必要経費にできないもの

所得の金額の計算上、次のようなものは必要経費にすることができません。

家事関連費等 具体例
1. 家事費 生活費、住宅の家賃や光熱費など
2. 家事関連費 店舗兼住宅の賃料、水道光熱費など(※)
3. 租税公課 所得税、住民税、延滞税等
4. 損賠賠償金 故意又は重大な過失によって他人の権利を侵害した場合の損害賠償金

(※)個人事業主の場合、法人とは異なり、生活費と事業の必要経費が明確に区分されていないことがありますので、2.の家事関連費は原則として必要経費にできませんが、家事関連費と必要経費を明確に区分できる等の場合には、必要経費にすることができます。

売上原価

商品や製品の売上原価は、売上と直接対応して発生するため、その商品や製品を販売した年の必要経費になります。具体的には、次の計算式で売上原価の金額を計算します。

(例)年初在庫200個(20万円分)、当年中の仕入が1,000個(100万円分)、年末在庫が100個(10万円分)の場合
売上原価:年初在庫20万円ー当年中の仕入100万円ー年末在庫10万円=110万円

売上原価の計算についての詳しい解説は2.2.4.1 売上原価の計算をご覧ください。

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2.4.1 減価償却費

法令等

この記事は2019年9月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。