2.4.2 中古資産の減価償却

通常、減価償却は法定耐用年数にわたって実施されますが、中古資産の使用可能期間は新品のものよりも短いと考えられます。そこで、所得税では中古資産については法定耐用年数よりも短い期間で減価償却することを認めています。

中古資産の耐用年数

中古資産は新品のものよりも使用可能期間が短いと考えられるので、法定耐用年数ではなく、使用可能期間として合理的に見積った年数を耐用年数として減価償却することができます(法定耐用年数を適用することもできます)

ただし、中古資産の使用可能期間を合理的に見積もることは簡単なことではありません。そこで、所得税では使用可能年数を見積るための合理的なデータがなく、見積もりに特別の調査が必要だったり、多額の費用がかかるような場合には簡便な方法によって中古資産の耐用年数を決めることも認められています。

簡便法による耐用年数の算定

中古資産の使用可能期間を合理的に見積もることは困難な場合が多いため、簡便法にる耐用年数の算定はとても一般的に行われています。なお、簡便法による耐用年数の算定には、中古資産が既に法定耐用年数を全て経過しているか、一部のみを経過しているかによって二通りの方法あります。

簡便法で算定された耐用年数が2年未満の場合は2年とします。また1年未満の端数は切り捨てます。

法定耐用年数を全て経過している中古資産

取得した中古資産が既に法定耐用年数を全て経過している場合(例:既に6年以上使用されている耐用年数6年の中古車を購入した場合)は次の計算式で耐用年数を算出します。

(例)中古の自動車を購入しました。法定耐用年数は6年で既に8年間使用されています。
簡便法の耐用年数:
法定耐用年数6年×20%=1.2年→2年(2年未満のため切り上げ)

法定耐用年数を一部経過している中古資産

取得した中古資産が法定耐用年数を一部経過している場合(例:既に2年間使用されている耐用年数6年の中古車を購入した場合)は次の計算式で耐用年数を算出します。

なお、取得した中古資産がどのくらいの期間使用されているか分からない場合は、その中古資産の構造や形式、表示されている製作の時期などから経過年数を見積もり、上記の計算式で算定します。

(例)中古の自動車を購入しました。法定耐用年数は6年で既に2年間使用されています。
簡便法の耐用年数:
(法定耐用年数6年-経過年数2年)+経過年数2年×20%=4.4年→4年(端数切捨て)

資本的支出の金額が取得価額の50%超

中古資産を取得した場合であっても、中古資産に対する資本的支出の額が、その中古資産の取得価額の50%を超える場合、簡便法で耐用年数を算定することができません。

資本的支出とは?
固定資産の修理や改良等のための支出で、固定資産の価値を高めたり耐久性を増すためのものです。
(資本的支出の例)

非業務用資産を転用した場合

プライベートで使用してた自動車を不動産所得、事業所得、山林所得または雑所得の業務用に転用した場合のように、非業務用資産を業務用資産に転用した場合、転用時の未償却残高は法定耐用年数の1.5倍の年数の旧定額法に準じた方法で計算します。

(例)家事用として使用していた自家用車を営業車両に転用しました。取得価額は100万円、耐用年数は6年、転用時までに1年8カ月使用していました。
家事用として使用していた期間の旧定額法償却率:

法定耐用年数6年×1.5=9年(9年の旧定額法償却率0.111)
転用時の未償却残高
100万円-100万円×0.111×2年(1年8カ月→2年)=778,000円

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2.4.1 減価償却費

法令等

この記事は2019年9月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。