所得税の収入金額の計算方法

所得税のその年の収入金額は、入金済みか未入金かにに関わらず、原則としてその年に収入すべき金額になります。また、違法賭博など適法でない行為によって得た収益であっても、収入金額として所得税の課税対象になります。

収入金額

原則

所得では所得を「事業所得」「給与所得」等の10種類に区分しますが、それぞれの所得の金額の計算上、その年の収入金額は原則として「その年に収入すべき金額」になります。

また、所得税等が源泉徴収される場合には源泉徴収前の金額(源泉徴収税額を含んだ額面金額)が収入金額になります。

経済的利益
物品を無償や低額で譲り受けた場合や、土地や家屋を無償や低額で借り受けたこと等による利益(本来支払うべき対価を支払わなかったことによる利益)をいいます。

  発生した事象 経済的利益の額
資産の取得 無償でもらった  その資産の時価
低額の購入した その資産の時価-実際に支払った金額
資産の借受 無償で借りた 通常の賃貸料
低額で借りた 通常の賃貸料実際に支払った金額
金銭 無利息で借りた 通常の利息
低利息で借りた 通常の利息実際に支払った利息
サービス 無償で受けた 通常の料金
低額で受けた 通常の料金実際に支払った金額
債務免除など 債務免除された 免除された債務の金額
他の人に肩代わりしてもらった 肩代わりされた債務の金額

(※)経済的利益に所得税が課税されない場合もあります。

棚卸資産の家事消費

棚卸資産等を家事消費した場合(例:販売用の食品を自宅で消費した)や山林を伐採して家事のために消費した場合(例:伐採した木材で家屋を建てた)には、その消費したときの棚卸資産等の「通常の販売価額」が収入金額になります。

ただし、事業を営む者が家事消費した場合で、かつ、棚卸資産の「仕入価額」と「通常の販売価額の70%」のいずれか大きい金額以上を収入金額として記帳している場合には、その金額を収入金額とすることも認められています。

棚卸資産の家事消費の収入金額フローチャート

(例)食料品店を営んでいますが、仕入価額1,500円の在庫(食品)を夕食で消費しました。この在庫の通常の販売価額は3,000円です。
原則: 通常の販売価額3,000円を総収入金額に含めます。
例外: 通常の販売価額3,000円×70%=2,100円>仕入価額1,500円
したがって、2,100円を収入金額として記帳することも認められます。

棚卸資産の低額譲渡

棚卸資産を通常の販売価額の70%未満で譲渡した場合には、通常の販売価額の70%で譲渡したものとみなします。

棚卸資産の低額譲渡フローチャート

(例)通常3,000円で販売している食料品を、仕入価額と同じ1,500円で友人に販売しました。
通常の販売価額3,000円×70%=2,100>実際の販売価額1,500円
したがって、2,100円で販売したものとみなして収入金額を計算します。

保険金、損害賠償金等

保険金や損害賠償金、休業補償金等で不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得の収入金額の代わりに受け取るのものは、それぞれの所得の収入金額として取り扱います。

ただし、心身の損害に対する損害賠償金や見舞金など(例:事故によって1カ月間の療養が必要になったため休業の補償として受け取った損害賠償金)には課税されません。

不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得の収入金額になるもの
保険金、損害賠償金等 棚卸資産、山林、工業所有権、著作権等の損失に対する保険金、損害賠償金、見舞金等
休業補償金等 業務の全部又は一部の休止、転換、廃止などの収益の補償として受け取るもの
(例)材木店(事業所得)を営んでいますが、火災によって棚卸資産である材木に損失が発生したため300万円の保険金を受け取りました。
300万円の保険金は事業所得の収入金額になります(火災による廃棄損等は必要経費になります)

法令等

この記事は2020年4月1日現在の法令等に基づいて書かれています。また、この記事は税法学習者に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。

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