2.3 収入金額

所得税の収入金額は既に入金済みか未入金かにかかわらず、原則としてその年に収入すべき金額になります。また、違法賭博など適法でない行為によって得たものであっても収入金額として所得税の課税対象になります。

収入金額

原則

各種所得の金額の計算上、収入金額とは既に受け取っているか未収入かに係わらず、その年に収入すべき金額になります。また、金銭のみならず物品や経済的利益等であっても収入金額として所得税の課税対象になります。

なお、所得税が源泉徴収される場合には、源泉徴収前の金額(源泉徴収税額を含んだ金額)が収入金額になります。

経済的利益とは?
物品を無償や低額で譲り受けた場合や、土地や家屋を無償や低額で借り受けたこと等による利益(本来支払うべき対価を支払わなかったことによる利益)をいいます。

経済的利益の額
資産をもらった 無償でもらった  その資産の時価
低額の購入した その資産の時価ー実際に支払った金額
資産を借りた 無償で借りた 通常の賃貸料
低額で借りた 通常の賃貸料ー実際に支払った金額
金銭を借りた 無利息で借りた 通常の利息
低利息で借りた 通常の利息ー実際に支払った利息
サービスを受けた 無償で受けた 通常の料金
低額で受けた 通常の料金ー実際に支払った金額
債務免除など 債務免除された 免除された債務の金額
他の人に肩代わりしてもらった 肩代わりされた債務の金額

(※)一定の場合には課税されないなど例外的な取り扱いもあります。

棚卸資産の自家消費や贈与等

棚卸資産等を自家消費した場合(例:販売用の食品を自宅で消費した)や山林を伐採して家事のために消費した場合(例:伐採した木材で家屋を建てた)は、その消費したときの棚卸資産等の「通常の販売価額」が収入金額になります。また、棚卸資産の贈与(一定の贈与ものを除く)があった場合は、その贈与や遺贈があったときの「通常の販売価額」が収入金額になります。

ただし、事業を営む者が、自家消費等した棚卸資産の仕入価額と通常の販売価額の70%のいずれか大きい金額以上を収入金額として記帳している場合には、その金額を収入金額とすることも認められています。

(例)仕入価額1,500円の在庫(食品)を夕食で消費しました。この在庫の通常の販売価額は3,000円です。
原則:
通常の販売価額3,000円を総収入金額に含めます。
例外:
通常の販売価額3,000円×70%=2,100円>仕入価額1,500円
したがって、2,100円を収入金額として記帳することも認められます。

棚卸資産の低額譲渡

棚卸資産を通常の販売価額の70%未満で譲渡した場合、通常の販売価額の70%と実際の販売価額の差額を収入価額に追加します(結果として収入金額は通常の販売価額×70%になります)。

(例)通常3,000円で販売している食料品を、仕入価額と同じ1,500円で友人に販売しました。
実際の販売価額1,500円に加えて、通常の販売価額3,000円×70%ー実際の販売金額1,500円=600円が収入金額になります。結果として2,100円が収入金額になります。

保険金、損害賠償金等

不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得の収入金額の代わりに受け取る保険金や損害賠償金、休業補償金等の金額はそれぞれの所得の収入金額として取り扱います。

ただし、心身の損害に対する損害賠償金や見舞金など(例:事故によって1カ月間の療養が必要になったため休業の補償として受け取った損害賠償金)に対しては、所得税は課税されません。

不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得の収入金額になるもの
保険金、損害賠償金等 棚卸資産、山林、工業所有権、著作権等の損失に対する保険金、損害賠償金、見舞金等
休業補償金等 業務の全部又は一部の休止、転換、廃止などの収益の補償として受け取るもの
(例)材木店(事業所得)を営んでいますが、火災によって棚卸資産である材木に損失が発生したため300万円の保険金を受け取りました。
300万円の保険金は事業所得の収入金額になります(火災による廃棄損等は必要経費になります)

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2.2 所得の種類

法令等

この記事は2019年11月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、このサイトは税法を学ぶ方に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。