2.2 所得の種類

所得の種類が異なると合理的な所得金額の計算方法や担税力も異なることから、所得税では所得を給与所得や事業所得、譲渡所得などの10種類に区分し、それぞれの所得のごとに所得金額を計算することにしています。

各種所得

所得税では所得を次の10種類に区分して、それぞれ異なる所得区分ごとに別々の方法で所得金額を計算します。

利子所得

利子所得とは公社債の利子や預貯金の利子などの所得のことで、主なものとしては次のようなものがあります。

利子所得
具体例
公社債の利子 国債、地方債、社債の利子
預貯金の利子 銀行、信用金庫、農業協同組合等の預貯金の利子
合同運用信託の収益の分配金 貸付信託、指定金銭信託の収益分配金
公社債投資信託の収益の分配金
中期国債ファンドの収益分配金

利子所得の計算方法は利子所得の計算をご覧ください。

配当所得

配当所得とは法人から受ける剰余金の配当や利益の配当等の所得で、主なものとしては次のようなものがあります。

配当所得
具体例
法人から受ける剰余金の配当 株式会社の剰余金の配当
法人から受ける利益の配当 合同会社・合名会社・合資会社の利益の配当
剰余金の分配 農業協同組合への出資に対する剰余金の配当金
基金利息 相互保険会社の基金に対する利息
一定の投資信託からの収益の分配金 特定株式投資信託の収益の分配
みなし配当 合併・分割型分割・資本の払い戻しなどで受け取る金銭やその他の資産のうち税法の規定により配当とみなされるもの

配当所得の計算方法は配当所得の計算をご覧ください。

不動産所得

不動産所得とは不動産や不動産の上に存する権利(地上権、永小作権等)、船舶(総トン数20トン以上)及び航空券の貸付けによる所得のことをいいます。

不動産所得
具体例
不動産の貸付け 地代、家賃、礼金
不動産の上に存する権利の貸付け 地上権、永小作権、借地権の貸付け・設定収入
船舶や航空機の貸付け 船舶(総トン数20トン以上)、航空機の貸付け

・不動産所得と他の所得との区別

不動産所得の計算方法は不動産所得の計算をご覧ください。

事業所得

事業所得とは農業、漁業、製造業、卸売業、サービス業などの事業による所得のことをいいます。ただし、山林所得や譲渡所得、不動産所得、配当所得、利子所得に該当するものは除きます。

事業所得
具体例
事業の所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業

(※)山林所得、譲渡所得、不動産所得、配当所得、利子所得に該当するものを除きます

・事業所得と他の所得との区別

事業所得の計算方法は事業所得の計算をご覧ください。

給与所得

給与所得とは俸給、給料、賃金、歳費、賞与などの所得や青色事業専従者給与、事業専従者控除のことをいいます。

事業専従者とは?
事業主と同一生計の親族(15歳以上)で、その事業主が営む事業に専従している人のことをいいます。事業主が青色申告者である場合に支給される給与を青色事業専従者給与といいます。
給与所得
俸給、給料、賃金、歳費、賞与など
青色専従者給与
事業専従者控除

給与所得の計算方法は給与所得の計算をご覧ください。

退職所得

退職所得とは、退職手当、一時恩給など退職によって一時に受け取る給与等のことをいいます。また、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、独立行政法人農業者年金基金法の規定に基づく一時金なども退職所得になります。

退職所得
具体例
退職手当等 退職手当、一時恩給等
退職手当等とみなす一時金 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法、独立行政法人農業者年金基金法の規定に基づく一時金等

退職所得の計算方法は退職所得の計算をご覧ください。

山林所得

山林所得とは山林の伐採や譲渡による所得のことをいいます。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採、譲渡する場合は山林所得ではなく、事業所得又は雑所得になります。

山林所得
具体例
山林の伐採 山林を伐採して譲渡
山林の譲渡 立木のまま譲渡

・山林所得と他の所得との区別

退職所得の計算方法は山林所得の計算をご覧ください。

譲渡所得

譲渡所得とは、資産の譲渡による所得のことをいいます。ただし、棚卸資産や棚卸資産に準ずる資産の譲渡、営利目的のために継続的に行われる資産の譲渡、山林の伐採や譲渡、金銭債権の譲渡を除きます。

譲渡所得
具体例
資産の譲渡
(棚卸資産や山林の譲渡等を除く)
土地、建物、借地権、株式、金地金、宝石、書画、船舶、航空機、機械、特許権、鉱業権などの譲渡
譲渡とは?
有償・無償に係わらず所有権が移転される一切のことです。したがって、売買だけではなく、交換や競売、代物弁財、収用、現物出資なども譲渡になります。

・譲渡所得と他の所得との区別

譲渡所得の計算方法は譲渡所得の計算をご覧ください。

一時所得

一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外で、営利目的の継続的な行為以外から発生する一時の所得(役務や資産の譲渡の対価を除く)のことをいいます。

一時所得
具体例
次の①~③を全て満たす一時の所得

① 利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡以外の所得
② 営利目的の継続的な行為以外の所得
③ 役務や資産の譲渡の対価以外の所得

懸賞や福引の賞金品
競馬や競輪の払戻金(※)
生命保険契や長期損害保険の満期返戻金
法人から贈与される金品
人格のない社団の清算分配金や払戻金
遺失物拾得や埋蔵金発見の報労金

(※)継続的に営利目的で行っている場合には雑所得になる場合があります

一時所得の計算方法は一時所得の計算をご覧ください。

雑所得

雑所得とは上記の所得のどれにも該当しないものをいいます。

雑所得
具体例
他の所得のどれにも該当しないもの 公的年金
学校債や組合債の利子
国税や地方税の還付加算金
人格のない社団の収益分配金
事業者以外が受け取る原稿料や講演料

法令等

この記事は2019年10月31日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。