2.2.9 一時所得の計算

懸賞金や競馬の払戻金など臨時・偶発的に受け取る一時的な収入で、かつ、対価性のないもの(何かの販売代金などではないもの)は一時所得として所得税が課税されます。ここでは一時所得の金額をどのように計算するのかを解説します。

一時所得の範囲

一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得以外で、営利目的の継続的な行為以外から発生する一時の所得(役務や資産の譲渡の対価を除く)のことをいいます。

一時所得
具体例
次の①~③を全て満たす一時の所得

① 利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡以外の所得
② 営利目的の継続的な行為以外の所得
③ 役務や資産の譲渡の対価以外の所得

懸賞や福引の賞金品
競馬や競輪の払戻金(※)
生命保険契や長期損害保険の満期返戻金
法人から贈与される金品
人格のない社団の清算分配金や払戻金
遺失物拾得や埋蔵金発見の報労金

(※)継続的に営利目的で行っている場合には雑所得になる場合があります

一時所得の金額

概要

一時所得の金額は、総収入金額から収入を得るために支出した金額を控除し、さらに特別控除として最大50万円を控除して計算します。

なお、総所得金額を計算するときには「一所得の金額×1/2」を他の所得と合算します。したがって、一時所得については所得金額の2分の1にだけ所得税が課税されることになります。

総収入金額

総収入金額は次の収入の時期の属する年の収入金額の合計額として計算します。

内容 収入の時期
原則 支払いを受けた日
支払い受ける金額が事前に通知されている場合 通知された日
生命保険契約の一時金 支払いを受ける事実が生じた日
損害保険契約の満期返戻金 支払いを受ける事実が生じた日

特別控除額

一時所得では特別控除として最大50万円(「総収入金額ー支出した金額」が限度)を控除することができます。

総収入金額ー支出した金額 特別控除額
50万円以上の場合 50万円
50万円未満の場合 総収入金額ー支出した金額
(例)2019年の一時所得の総収入金額は50万円、支出した金額は20万円でした。
総収入金額50万円-支出した金額20万円=30万円<50万円、特別控除額は30万円
一時所得:総収入金額50万円-支出した金額20万円ー特別控除額30万円=0円

生命保険契約の保険金等を受け取った場合

一時所得として課税される場合

生命保険契約に基づいて受け取った保険金等のうち、一時金として受け取っていて、かつ、保険金受取人と保険料の負担者が同じ場合は一時所得として所得税が課税されます。

・死亡保険金を受け取った場合

保険金受取人 被保険者 保険料負担者 保険金等 Aさんの税金
Aさん Bさん Aさん 一時金 所得税(一時所得)
年金 所得税(雑所得)
Aさん Bさん Bさん 一時金 相続税
年金 相続税、所得税(雑所得)
Aさん Bさん Cさん 一時金  贈与税
年金  贈与税、所得税(雑所得)

・満期保険金を受け取った場合

保険金受取人 保険料負担者 保険金等 Aさんの税金
Aさん Aさん 一時金 所得税(一時所得)
年金 所得税(雑所得)
Aさん Bさん 一時金 贈与税
年金 贈与税、所得税(雑所得)

一時所得の金額

一時所得として取り扱われる生命保険金等の総収入金額は、一時金の金額に一時金の支払い時(又は支払い後)に受け取る剰余金や割戻金を加えた金額になります。一方、支出した金額はそれまでに負担した保険料や掛け金の総額から一時金の支給前に受け取った剰余金や割戻金等を控除した金額になります。

なお、一時金の他に年金を受け取る場合には、一時金部分は一時所得として所得税が課税されますが、年金部分は雑所得になります。この場合、一時所得の支出した金額は次の算式によって計算します。

関連記事

2.2 所得の種類

法令等

この記事は2019年11月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、このサイトは税法を学ぶ方に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。