2.2.7 山林所得の計算

山林の伐採や譲渡による所得は事業所得や譲渡所得などになる一部のものを除いて山林所得になります。ここでは、山林所得の金額をどのように計算するのかを解説します。

山林所得の範囲

山林所得とは、山林の伐採や譲渡による所得のことをいいます。ただし、山林を取得してから5年以内に伐採、譲渡する場合は山林所得ではなく、事業所得または雑所得になります。

次のような所得は山林所得との区別が難しいので注意しないといけません。

山林所得の金額

山林所得の金額は暦年で計算します。したがって、1月1日から12月31日までの総収入金額から必要経費を控除しますが、その後最大50万円の特別控除をすることができます。青色申告者の場合は、このほかに青色申告特別控除ができる場合があります。

なお、山林所得に対しては、通常の税率(課税総所得金額に対する税率)よりも低い税率になる5分5乗方式によって所得税の額を計算します。

総収入金額

山林所得の総収入金額は、山林を譲渡した場合の譲渡対価や、間伐などによって発生する付随収入等の合計額になります。ただし、山林を伐採して家事消費した場合(例えば、伐採した木材を使って自分の家を建てた場合)は、家事消費したときの時価が山林所得の総収入金額に含まれます。

(例)保有期間5年超の山林を伐採して300万円で譲渡しました。その他に山林を伐採してました(第三者に譲渡する場合の価額は100万円でした)
総収入金額:譲渡対価300万円+家事消費時の時価100万円=400万円

必要経費

原則

山林所得の必要経費は、原則として山林の植林費取得費用管理費伐採費山林の育成費用譲渡費用の額になります。

ただし、償却費以外の費用については、12月31日までに(1)債務が成立している、(2)給付の原因となる事実が発生している、(3)金額を合理的に算出できるという三つの要件を満たさないと必要経費にはできません。

概算経費控除

伐採又は譲渡した山林が、伐採又は譲渡した年の15年前の12月31日以前から引き続き所有されている場合には、原則の方法に代えて次の数式で計算した金額を必要経費にすることができます。これを概算経費控除といいます。

概算経費控除=(収入金額ー伐採費、運送費、譲渡費用)×50%+伐採費、運送費、譲渡費用

(例)2004年10月1日に取得して、その後引き続き所有していた山林を2019年8月1日に譲渡しました。収入金額は500万円、伐採費等が300万円かかりました。
譲渡した年(2019年)の15年前は2004年です。今回譲渡した山林は2004年12月31日以前に取得して引き続き所有していたため概算経費控除を適用することができます。
概算経費控除額:(収入金額500万円-伐採費等300万円)×50%+伐採費等300万円=400万円

特別控除

山林所得では特別控除として最大50万円を控除することができます。

総収入金額ー必要経費の額 特別控除額
50万円以上の場合 50万円
50万円未満の場合 総収入金額ー必要経費の額
(例)2019年の山林所得の総収入金額は500万円、必要経費の額が470万円でした。
総収入金額500万円-必要経費470万円=30万円<50万円、特別控除額は30万円
山林所得:総収入金額500万円-必要経費470万円-特別控除30万円=0円
(参考)森林計画特別控除、収用等の特別控除
森林経営(施業)計画に基づいて山林を譲渡した場合には、一般の特別控除に加えて森林計画特別控除があります。また、収用等によって山林を譲渡した場合には5,000万円の特別控除があります。

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2.2 所得の種類

法令等

この記事は2019年9月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。