2.2.3 不動産所得の計算

所得税では不動産や船舶(総トン数20トン以上)、航空機の賃貸収入は不動産所得として所得金額を計算します。ここでは、不動産所得の金額をどのように計算するのかを解説します。

不動産所得の範囲

不動産所得とは、不動産や不動産の上に存する権利(地上権、永小作権等)、船舶(総トン数20トン以上)及び航空券の貸付けによる所得のことをいいます。

次のような所得は不動産所得との区別が難しいので注意しないといけません。

不動産所得の金額

不動産所得の金額は総収入金額から必要経費を控除した金額になります。


青色申告者の場合は、このほかに青色申告特別控除があります。

(例)Aさんは2019年にアパートの家賃1,000万円、更新料100万円、敷金(将来返還する予定)100万円の収入がありました。一方、経費としては減価償却費として500万円、その他の経費として200万円が発生しています。
将来返却する予定の敷金は不動産所得の総収入金額には含まれません。したがって次のように不動産所得の金額を計算します。
総収入金額: 家賃1,000万円+更新料100万円=1,100万円
必要経費: 減価償却費500万円+その他の経費200万円=700万円
不動産所得: 総収入金額1,100万円-必要経費700万円=400万円

総収入金額

不動産所得の計算上、総収入金額には地代や家賃、権利金、名義書換料などが含まれますが、こららについては次の収入の時期の属する年の総収入金額に含まれます。

(例)アパート経営をしていますが、契約で2018年12月が支払日になっている家賃10万円を、借主が支払い忘れていたために2019年1月に受け取りました。
契約で支払日が2018年12月になっているため、実際に受け取った日に係わらず、2018年の総収入金額に含まれます。

必要経費

不動産所得の必要経費は、原則として12月31日までに(1)債務が成立している、(2)給付の原因となる事実が発生している、(3)金額を合理的に算出できるという三つの要件を満たすものでなけらばいけません。

したがって、未払いであってもこれらの要件を全て満たせばその年の必要経費になる一方で、既に支払い済みであっても要件を満たさなければ(例えば前払金として支払った場合)、その年の必要経費にはなりません。

(例)外壁工事業者に外壁修理を申し込み、50万円という見積りで修理契約を締結しました。その後、12月31日までに修理が完了しましたが請求書はまだ受け取っていません。
必要経費になるための三つの要件を全て満たしているため、請求書を受け取っていなくても、50万円は当年の必要経費になります。

ただし、減価償却費や引当金などについては必要経費にするためのルールが上記の三つの要件とは別に定められています。

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2.2 所得の種類

法令等

この記事は2019年8月31日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。