2.2.3 配当所得の計算

法人から受け取る剰余金の配当や株式投資信託の収益の分配などの所得は配当所得として所得金額を計算します。ここでは、配当所得の金額をどのように計算するのかを解説します。

上場株式等からの配当等に対する課税

個人が上場株式等から受け取る配当等(発行済み株式の3%以上を保有する大口の個人株主等が受け取るものなどを除きます)については源泉徴収がある特定口座で配当等を受け取る場合と、それ以外で受け取る場合とで取り扱いが異なっています。

特定口座とは?
上場株式等の譲渡損益や配当等について、証券会社が損益計算を行って、株主に特定口座年間取引報告書を交付する口座です。

源泉徴収

上場株式等の配当等に対しては、源泉徴収がある特定口座で受け取る場合でも、それ以外の方法で受け取る場合でも、所得税と復興特別所得税15.315%、住民税5%のあわせて20.315%が源泉徴収されます。

特定口座での損益通算

源泉徴収ありの特定口座で上場株式等の配当等を受け取た場合で、その特定口座内に上場株式等の譲渡損失がある場合には、配当等と譲渡損失の損益が通算されます。通算された結果、配当等について源泉徴収された税額が過大となった場合は源泉徴収された税額が還付されます。

課税方法

上場株式等の配当等については(1)確定申告による総合課税、(2)確定申告による分離課税、(3)申告不要の3種類の中から、どの方法にするか納税者が選択できます。

(1) 確定申告(総合課税)

確定申告(総合課税)とは、配当所得を事業所得や不動産所得など他の所得と合算して所得税や復興特別所得税を計算する方法です。この方法の場合、配当控除の適用がありますが、確定申告で配当所得と上場株式等の譲渡損失とを損益通算することはできません

配当所得の金額は収入金額(額面)から株式等を取得するための負債利子を控除した金額になります。

(2) 確定申告(分離課税)

確定申告(分離課税)とは、配当所得を事業所得や不動産所得など他の所得とは分離して、配当所得の金額にかかわらず一律に15.315%の所得税と復興特別所得税(住民税5%)が課税される方法です。この方法の場合、確定申告で配当所得と上場株式等の譲渡損失とを損益通算することができますが、配当控除の適用はありません

配当所得の金額は収入金額(額面)と同じ金額になります(株式等を取得するための負債利子の控除はありません)

(3) 申告不要

上場株式等の配当等については受け取った段階で分離課税される場合と同じ税率で源泉徴収されているため、確定申告をしないことも認められています。

非上場株式等からの配当等に対する課税

非上場株式から受け取る配当等や大口の個人株主が受け取る上場株式の配当等については、原則として確定申告による総合課税によって所得税が課税されます。ただし、少額な配当等であれば申告不要を選択することもできます。

源泉徴収

非上場株式から受け取る配当等や大口個人株主が受け取る配当等に対しては、所得税と復興特別法人税20.42%(住民税なし)が源泉徴収されます。

課税方法

非上場株式から受け取る配当等や大口個人株主が受け取る配当等については(1)確定申告による総合課税、(2)申告不要の2種類の中から、どの方法にするか納税者が選択できます。

(1) 確定申告(総合課税)

確定申告(総合課税)とは、配当所得を事業所得や不動産所得など他の所得と合算して所得税や復興特別所得税を計算する方法です。この方法の場合、配当控除の適用がありますが、確定申告で配当所得と上場株式等の譲渡損失とを損益通算することはできません。

配当所得の金額は収入金額(額面)から株式等を取得するための負債利子を控除した金額になります。

(2) 申告不要

国内の法人から受け取る配当等のうち少額のもの(1銘柄について1回に受け取る配当金が「10万円×配当計算期間の月数÷12月」以下のもの)については、確定申告しないことも選択できます。

少額投資非課税制度(NISA)

NISA口座で一定の要件を満たす少額の上場株式等から受け取る配当等については、所得税が非課税になる制度があります。なおNISAには、通常のNISAのほかに、積立NISA、ジュニアNISAがあります。

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配当所得の範囲

法令等

この記事は2019年8月31日現在の法令等に基づいて書かれています。