1.3 所得税が課税されないもの

会社員が受け取った給与や自営業者の利益には所得税が課税されますが、所得税は全ての所得に対して課税されるわけではなく一定のものについては非課税所得または免税所得として所得税が課税されないことになっています。

非課税所得と免税所得

所得税は原則として1年間の全ての所得に対して課税されますが、雇用保険や健康保険、生活保護の給付、ノーベル賞受賞者やオリンピックメダリストに給付される金品などは所得税が課税されないことになっています。これを非課税所得といいます。

一方、本来所得税を課税すべきであるものの国の政策のために所得税を特別に免除しているものがあります。これを免税所得といいます。

主な非課税所得

当座預金の利子など

銀行利子などには原則として所得税が課税されますが、当座預金やマル優、財形貯蓄などの利子で一定の要件を満たすものは非課税所得になります。

(例)一般財形貯蓄の利子を受け取りました。元本は300万円です。
財形貯蓄の利子で非課税になるのは財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の2種類です。一般財形貯蓄の利子は非課税にはなりません。

給与所得者への実費弁償

サラリーマンや会社経営者といった給与所得者が受け取る出張旅費や通勤手当、現物給付などは実費弁償に過ぎませんので所得税は課税されません。

ただし、これらに該当する場合であっても高額過ぎる場合や職務上必要とは認められない場合は課税所得になります。

(例)製造業を営んでいますが、工場で着用する会社のロゴマークの入った作業着と安全靴を従業員に支給しています。
専ら勤務地で使用される作業着等は職務上必要な現物給付ですので非課税所得です。

ノーベル賞の賞金など

ノーベル賞の賞金や日本オリンピック委員会(JOC)などがオリンピックの成績優秀者に交付する賞金には所得税が課税されません。

(例)自動車会社の陸上競技部に所属する選手がオリンピックのマラソン競技で金メダルを獲得したため、会社から特別ボーナスが支給されました。
オリンピックの賞金として非課税になるものは日本オリンピック委員会(JOC)や日本障がい者スポーツ協会(JPSA)などから支給されたものに限られるため、所属会社からの特別ボーナスには所得税が課税されます。

宝くじの当選金など

宝くじの当選金やtotoの払戻金には所得税がかかりません。

(例)会社員のAさんは年末ジャンボ宝くじの当選金として10億円を受け取りました。
宝くじの当選金には所得税は課税されません。

NISAの配当や譲渡益など

NISAの配当金や譲渡益などには所得税が課税されません。

相続や遺贈、個人からの贈与

相続や遺贈、個人からの贈与は相続税または贈与税の課税対象になりますので、所得税は課税されません。

(例)父親から土地の贈与を受けました。
個人からの贈与は贈与税の課税対象になりますので所得税は課税されません。

社会政策的なもの

遺族年金や雇用保険給付、生活保護給付などは社会政策的な配慮が必要なため、所得税は課税されません。

免税所得

所得税の免税所得は限定的で、肉用牛の売却所得(肉用牛生産農家が肉用牛を家畜飼料又は中央卸売市場などに売却したもので一定のもの)などに限られます。

法令等

この記事は2019年7月31日現在の法令等に基づいて書かれています。