所得税が課税されないもの-非課税所得と免税所得

「会社員が受け取った給与」や「自営業者の利益」には所得税が課税されますが、所得税は全ての所得に対して課税されるというわけではなく、一定のものについては非課税所得又は免税所得として所得税が課税されないことになっています。

「非課税所得」と「免税所得」の違い

所得税は原則として1年間の全ての所得に対して課税されますが、雇用保険の失業給付、ノーベル賞の受賞者やオリンピックメダリストに給付される一定の金品などについては「非課税所得」として所得税が課税されません。

一方、非課税所得とよく似たものに「免税所得」というものがありますが、こちらは本来所得税が課税されるべき所得であるものの、国の政策によって所得税が免除されるものをいいます。

両者は所得税が課税されないという点においては同じなのですが、所得税の計算や手続きに次のような違いがみられます。

非課税所得と免税所得

主な非課税所得

当座預金の利子など

銀行の利子等には原則として所得税が課税されますが、当座預金やマル優、財形貯蓄などの利子で一定の要件を満たすものは非課税所得になります。

当座預金利子などの課税非課税の判定フローチャート

(例)一般財形貯蓄の利子を受け取りました。元本は300万円です。
財形貯蓄の利子で非課税になるのは財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄の2種類です。一般財形貯蓄の利子は非課税にはなりません。

給与所得者への実費弁償

会社員や会社役員といった給与所得者が受け取る出張旅費や通勤手当、現物給付などは実費弁償に過ぎないため、所得税は課税されません。

ただし、これらに該当する場合であっても、高額過ぎる場合や職務上必要とは認められない場合には所得税の課税対象になります。

給与所得者への実費弁償の課税非課税の判定フローチャート

(例)製造業を営んでいますが、工場で着用する会社のロゴマークの入った作業着と安全靴を従業員に支給しています。
専ら勤務地で使用される作業着等は、職務上必要な現物給付のため非課税所得です。

ノーベル賞の賞金など

ノーベル基金が交付するノーベル賞の賞金、日本オリンピック委員会(JOC)などがオリンピックの成績優秀者に交付する賞金には所得税が課税されません。

ノーベル賞の賞金などの課税非課税の判定フローチャート

(例)自動車会社の陸上競技部に所属するマラソン選手がオリンピックで金メダルを獲得したため、所属会社から特別ボーナスが支給されました。
オリンピックの賞金として非課税になるものは日本オリンピック委員会(JOC)や日本障がい者スポーツ協会(JPSA)などから支給されるものに限られます。所属会社から支給された特別ボーナスは所得税の課税対象になります。

宝くじの当選金など

宝くじの当選金やtotoの払戻金には所得税が課税されません。

宝くじなどの課税非課税の判定フローチャート

(例)会社員のAさんは年末ジャンボ宝くじの当選金として10億円を受け取りました。
宝くじの当選金は非課税所得になりますので、たとえ10億円を受け取ったとしても所得税は課税されません。

NISAの配当や譲渡益など

NISAの配当金や譲渡益などには所得税が課税されません。

NISA譲渡益などの課税非課税の判定フローチャート

相続や遺贈、個人からの贈与

相続や遺贈、個人からの贈与があった場合には相続税又は贈与税が課税されますので、は所得税は課税されません。

相続などの課税非課税の判定フローチャート

(例)父親から土地の贈与を受けました。
個人からの贈与には贈与税が課税されるため所得税は課税されません。

社会政策的なもの

遺族年金や雇用保険給付、生活保護給付などは社会政策的な配慮が必要なため、所得税は課税されません。

遺族年金や雇用保険などの課税非課税の判定フローチャート

免税所得

所得税の免税所得になるものは限定的で、肉用牛の売却所得(肉用牛生産農家が肉用牛を家畜飼料又は中央卸売市場などに売却したもので一定のもの)などがあります。

法令等

この記事は2020年4月1日現在の法令等に基づいて書かれています。また、この記事は税法学習者に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。

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