1.2 所得税の納税地

所得税では申告や申請などの基準となる場所を納税地といい、申告や申請等は納税地を所轄する税務署長に提出することになっています。

納税地の原則

所得税の納税地は原則としてその個人の住所地になります。ただし、住所がなく居所がある場合には居所地を納税地とするなどのルールがあります。

・所得税の納税地(原則的な取り扱い)

(用語の意味)住所と居所
住所とは個人の生活の本拠をいいます。生活の本拠かどうかは客観的な事実に基づいて判定されるため必ずしも住民登録されている場所になるとは限りません。
一方、居所とは生活の本拠ではないものの相当期間継続して居住する場所をいいます。

納税地の特例

所得税の納税地は原則として上記のように決定されますが、特例によって原則とは異なる場所が納税地になる場合もあります。

納税地の選択

住所と居所がある場合

住所と居所の両方がある場合には原則として住所地が納税地になりますが、住所地の所轄税務署長に届け出て、居所地を納税地とすることもできます。

なお、特例によって居所地を納税地としていたものの、居所地を納税地とする必要がなくなったため居所地の所轄税務署長に届け出た場合には、原則どおり住所地が納税地になります。

住所(又は居所)と事業所等がある場合

住所(又は居所)と事業所等がある場合には原則として住所地(又は居所地)が納税地になりますが、住所地(居所地)の所轄税務署長に届け出て、事業所等の所在地を納税地とすることもできます。

なお、特例によって事業所等の所在地を納税地としていたものの、事業所等の所在地を納税地とする必要がなくなったため事業所等の所在地の所轄税務署長に届け出た場合には、原則どおり住所地(又は居所地)が納税地になります。

納税義務者が死亡した場合

納税義務者が死亡した場合には、相続人の納税地ではなく死亡した人の死亡時における納税地が納税地になります。

源泉徴収の納税地

給与や報酬等を支払い、所得税を源泉徴収する場合には、その支払事務を取り扱う事務所や事業所等の所在地が納税地になります。

ただし、公社債の利子や内国法人が支払う剰余金の配当等については、その支払をする者の本店や主たる事務所等の所在地が納税地になります。

(例)東京都港区に本社がある会社ですが本社で給与の支払事務を行っています。なお、社員は東京都、神奈川県、千葉県に住所があります。
社員の住所地に関わらず給与の支払事務を行った本社の所在地が納税地になります。

納税地の指定

納税地が納税義務者の所得の状況から見て不適当な場合には、所轄国税局長又は国税庁長官は納税地を指定することができます。

法令等

この記事は2020年1月31日現在の法令等に基づいて書かれています。また、この記事は税法学習者に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。