2.3.2 免税取引とは?

消費税は国内での消費に課税される税金ですが、例えば海外に輸出販売されるものに対して課税されてしまうと、結果として海外での消費に対して消費税が課税されることになります。そこで消費税では輸出されるものについては消費税を免除することにしています。

このように消費税が免除される取引を免税取引といいます。

免税取引の種類

消費税の免税取引には様々なものがありますが、一般的に免税取引といえば輸出免税等輸出物品販売場における輸出物品の譲渡の二つがあります。

輸出免税等

輸出免税等とは海外への輸出や輸出に関するもの等で次の10種類があり、これらについては免税取引になります。

輸出による資産の譲渡や貸付け

輸出による資産の譲渡や貸付けは免税取引になります。

輸出とは?
免税取引になる輸出とは、内国貨物(日本にある外国貨物以外の貨物、日本の船舶が公海で採捕した水産物)を外国に送り出すことをいいます。
(例)国内で製造した電化製品を米国企業に輸出販売する場合
米国への輸出による資産の譲渡のため消費税は免税になります。
(例)東京の美術館に収蔵する浮世絵を英国企業に貸出す場合
英国への輸出による資産の貸付けのため消費税は免税になります。

外国貨物の譲渡や貸付け

外国貨物の譲渡や貸付けは免税取引になります。

外国貨物とは?
外国貨物とは輸出の許可を受けた貨物や外国から輸入した貨物(外国船舶が公海で採捕した水産物を含みます)で輸入許可前のものをいいます。
(例)A社は中国企業から輸入によって購入した貨物を通関手続き前にB社に譲渡しました
輸入通関前の貨物は外国貨物ですので、この取引は免税取引になります。

国内と国外にわたる旅客、貨物の輸送、通信、郵便等

国内と国外にわたる旅客や貨物の輸送、通信、郵便、信書便は免税取引になります。

国際旅客や国際貨物の輸送の一部に国内区間が含まれていても、契約で国際輸送の一環であることが明らかにされていて、国内乗継地(又は寄港地)到着から出発までが定期路線時刻表で24時間以内の場合は国内分も含めて免税取引になります。

(例)徳島空港から羽田空港経由ホノルル行きの航空券を購入しました。徳島空港からホノルルまでで料金が決まっています。羽田空港での乗り継ぎ時間は3時間です。
徳島空港から羽田空港までの国内分は、徳島空港からホノルルまでの国際旅客輸送の一環になっています。乗継時間が24時間以内のため徳島空港からホノルルまでの全てが免税取引になります。

外航船舶等の譲渡や貸付け

外航船舶等の譲渡や貸付けのうち、次のいずれかに該当するものは免税取引になります。
(1) 船舶運航事業者または船舶貸渡事業者に対する船舶の譲渡や貸付け
(2) 航空運送事業者に対する航空機の譲渡や貸付け

外航船舶等とは?
外航船舶等とは、専ら国内から国外にわたって行われる又は国外から国外にわたって行われる、旅客や貨物の輸送に使用される船舶や航空機をいいます。

外航船舶等の修理

外国船舶等の修理で船舶運航事業者、船舶貸渡事業者又は航空運送事業者の求めに応じて行われるものは免税取引になります。
(例)船舶の運航を営むA社が修理業者であるB社に船舶の修理を委託し、B社がその修理をさらにC社に再委託した場合
免税取引になるのは船舶運航事業者等の求めに対して行われる修理に限ります。したがって、船舶運送事業者であるA社からB社への委託は免税取引になりますが、修理業者であるB社からC社への再委託は課税取引になります。

国際貨物輸送に使用されるコンテナ―の修理

国際貨物輸送に使用されるコンテナーの譲渡又は貸付けで船舶運航事業者、船舶貸渡事業者又は航空運送事業者の求めに応じて行われるものは免税取引になります。
国際貨物輸送に使用されるコンテナ―とは?
国際貨物輸送に使用されるコンテナ―とは専ら国内から国外にわたって又は国外から国外にわたって行われる貨物輸送に使用されるコンテナーをいいます。

外航船舶の水先、誘導等

外航船舶等に対する次の役務の提供で船舶運航事業者、船舶貸渡事業者又は航空運送事業者に対するものは免税取引になります。

・水先、誘導などの入出港や離着陸の補助
・入出港、離着陸、停泊、駐機のための施設の提供に係る役務の提供
・外航船舶等の清掃、廃油の回収、汚水処理等

外国貨物に係る役務の提供

外国貨物の荷役、運送等の役務の提供は免税取引になります。

指定保税地域等における輸出前の貨物や輸入許可を受けた貨物に対する荷役、運送などの役務の提供も免税取引になります。

非居住者に対する無形固定資産等の譲渡や貸付け

非居住者に対する次の無形固定資産等の譲渡や貸付けは免税取引になります。

・鉱業権、租鉱権、採石権等
・特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、育成者権
・公共施設等運営権
・著作権
・営業権、漁業権、入漁権

(例)東京で勤務している米国人ビジネスマンに特許権を譲渡しました。
東京で勤務している外国人は非居住者ではなく居住者になるので、特許権の譲渡は免税取引になりません。

非居住者に対する役務の提供

非居住者に対する役務の提供は免税取引になります。ただし、次のものは免税取引になりません。
(免税取引にならないもの)
・国内にある資産の輸送や保管
・国内での飲食や宿泊
・国内で直接便益を享受するもの
(例)東京の翻訳会社が中国企業から北京で開催される商品展示会の日本語パンフレットの翻訳を請け負った場合
北京の企業は非居住者に該当し、北京の展示会で使用するパンフレットの翻訳は日本国内で直接便益を享受するものではないので免税取引になります。

輸出物品販売場(免税店)における輸出物品の譲渡

輸出物品販売場(免税店)を経営する事業者(免税事業者を除く)が、外国人旅行者等の非居住者に対して、生活に使用する物品を所定の方法で販売した場合には消費税が免除されます。

これは外国人旅行者などが輸出物品販売場で購入した物品を海外に持ち帰って使用する場合には輸出したのと同じだからです。

免税の対象になる物品
・消耗品(食品、飲料品、薬品、化粧品など
同一の非居住者に対する一日の販売価額が5千円以上(※)の場合に限る
・一般物品(消耗品以外の物品)
同一の非居住者に対する一日の販売価額が5千円以上(※)50万円以下の場合に限る
(※)消耗品と一般物品が5,000円未満でも、合計額が5,000円以上ならば一定の方法によって免税の対象にすることができます。
免税の対象にならない物品
・事業用又は販売用として購入される物品
・金又は白金の地金

法令等

この記事は2019年5月31日現在の法令等に基づいて書かれています。