2.2.1 国内取引の判定

消費税は国内で行った取引が課税の対象ですので、それぞれの取引が国内で行われたものか国外で行われたものか判定しないといけませんが、取引によってはその判定が難しいものもありますので、具体的にどのように国内取引と国外取引を区別するのかを解説します。

国内取引の判定

消費税が課税される取引は、(1)国内で行う取引、(2)事業者が行う取引、(3)対価を得て行う取引、(4)資産の譲渡・貸付け、役務の提供の4つの要件を全て満たすものに限られています。

消費税は日本の税金ですので、(1)の国内で行う取引に対して課税される(国外で行う取引は課税されない)というのは当然なのですが、内容によっては国内で行われた取引なのか、それとも国外で行われた取引なのか判断が難しいものがあります。

そこで消費税では法令や通達によって国内取引と国外取引をどのように区別するのか、その判定方法を詳しく説明しています。

資産の譲渡や貸付けの場合

原則的な取り扱い

資産の譲渡した場合や貸付けた場合は、原則として資産の譲渡や貸付けをしたときに、その資産がどこにあったかによって国内取引かそれとも国外取引かを区別します。

例えば商品を顧客に販売した場合、販売時にその商品が日本国内にあったのであれば、国内取引として課税の対象になります。

(例1)A社は東京に所在するウェディング会社です。ハワイで開催する挙式のためにウェディングドレスを新婦に貸します。ドレスはハワイのホテルで新婦に渡します。
ドレスを新婦に渡す場所がハワイですので国外取引になります。
(例2)A社は東京に所在するウェディング会社です。ハワイで開催する挙式のためにウェディングドレスを新婦に貸します。ドレスは成田空港で新婦に渡します。
ドレスを新婦に渡す場所が成田空港ですので国内取引になります。

例外

船舶や航空機、一定の権利等の譲渡や貸付けの場合には、原則的な取り扱いによらずに、次の判定する場所がどこにあるかによって、国内で行われた取引か、それとも国外で行われた取引かを区別します。

・船舶

・航空機

・その他の資産

役務の提供の場合

原則的な取り扱い

役務の提供が国内で行われた取引か、それとも国外で行われたか取引かは、原則として役務の提供が行われた場所によって区別します。

(例)A社は東京に所在するウェディング会社です。ハワイにチャペルを所有しており、日本人の新郎新婦向けに挙式のサービスを提供しています。
株式会社Aは日本の会社ですが、役務の提供が行われる場所がハワイですので挙式のサービスは国外取引になります。

例外

国際運輸や国際通信等のように国内と国外にまたがって行われる取引については、国内取引かそれとも国外取引かを区別することが難しいです。

そこで、このような取引については、原則的な取り扱いにかかわらず、次の判定する場所がどこにあるかによって、国内で行われたか、それとも国外で行われた取引かを区別します。

(例)サンフランシスコに所在する取引先に東京から書類を郵送した場合の郵送
国際郵便の場合は、差出地又は配達地が国内の場合は国内取引になります。このケースでは東京から郵送していますので、郵送は国内取引になります(ただし国際郵便は輸出免税が適用されるため、結果的に消費税は課税されません)

金融取引の場合

金銭の貸付けや手形の割引のような取引(金融取引といいます)が国内で行われた取引か、それとも国外で行われた取引かは、金銭の貸付け等を行う者の金銭の貸付け等に係る事務所等の所在地がどこにあるかによって区別します。
主な金融取引
・利子を対価とする金銭の貸付け
・預金や貯金の預け入れ
・収益分配金を対価とする集団投資信託等
・償還債権を対価とする国債等や約束手形の取得
・手形(約束手形を除く)の割引

法令等

この記事は2019年5月31日現在の法令等に基づいて書かれています。