1.3 消費税の課税期間と確定申告、中間申告

法人税等の税金は各事業年度ごとに税額を計算しますが、消費税の場合は事業年度ではなく課税期間ごとに納付する税額を計算します。課税期間とは何か、それぞれの課税期間の確定申告及び中間申告の期限について詳しく解説します。

課税期間とは?

課税期間とは消費税の税額を計算するための基礎となる期間で、事業者(個人事業者及び法人)はそれぞれの課税期間ごとに消費税額の申告と納付を行います。

個人事業者の課税期間

・原則

個人事業者の課税期間は原則として1月1日から12月31日までの期間です(年の途中で事業を開始したり、廃止したとしても課税期間は1月1日から12月31日です)

(例)Aさんは2019年5月1日に事業を開始しました。
最初の課税期間は原則として2019年1月1日から12月31日です。

・特例

「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を提出して、課税期間を1月1日から12月31日までの12カ月間ではなく、3カ月間又は1カ月間に変更することができます。

法人の課税期間

・原則

法人の課税期間は原則として法人税の事業年度と同じになります(法人税の事業年度は通常、会計期間と一致します。詳しい解説は1.2 事業年度とはをご覧ください)

(例)B社は2019年5月1日に設立されました。設立第一期の事業年度は2019年5月1日から2020年3月31日です。
最初の課税期間は原則として2019年5月1日から2020年3月31日までです。

・特例

「消費税課税期間特例選択・変更届出書」を提出して、課税期間を事業年度開始から3カ月間ごと又は1カ月間ごとに区分した各期間に変更できます。

確定申告

消費税の課税事業者である個人事業者や法人は、各課税期間ごとに消費税の確定申告をする義務があります。ただし、国内で課税資産の譲渡等や特定課税仕入れを行っておらず、納付する消費税がない場合は確定申告をする必要がありません。

個人事業者の確定申告期限

個人事業者は、次の申告期限までに確定申告書を提出して消費税を納付をしないといけません(ただし、相続があった場合の被相続人の確定申告については特別な取り扱いがあります)。

・課税期間が1月1日から12月31日の場合

・課税期間の特例(3カ月間)が適用されいてる場合

・課税期間の特例(1カ月間)が適用されいてる場合

法人の確定申告期限

法人は各課税期間の終了日の翌日から2カ月以内(清算法人の残余財産が確定した場合は、確定の日の翌日から1カ月以内)に確定申告書を提出して消費税を納付をしないといけません。

(例)C社の事業年度は4月1日から3月31日です。消費税の課税期間は事業年度と同じ4月1日から3月31日です。
課税期間終了の日の翌日から2カ月以内が確定申告期限になります。
(例)D社の事業年度は4月1日から3月31日です。ただし、消費税の課税期間を3カ月間とする特例の適用を受けています。
課税期間を短縮している場合であっても、課税期間終了の日の翌日から2カ月以内が確定申告期限になります。

消費税の中間申告

課税期間を短縮していない課税事業者は、直前の課税期間の消費税額(法人で直前の課税期間が1年間でない場合は1年間に換算した金額。地方消費税額を除く)が48万円を超える場合は、中間申告する義務があります。

なお、中間申告の回数と期限は、直前の課税期間の消費税額(地方消費税を除く)に応じて決まります。

直前の課税期間の年消費税額
(地方消費税額を除く)
中間申告の回数
(1) 48万円超 400万円以下 年1回
(2) 400万円超 4,800万円以下
年3回
(3) 4,800万円超
年11回

(1) 48万円超400万円以下の場合

直前の課税期間の年消費税額が48万円超400万円以下の場合、中間申告期限と中間申告税額は次のように定められています。

・申告納付期限

個人事業主、法人ともに課税期間開始の日から8カ月以内が中間申告と納付の期限です。

(個人事業主)

(法人)例:4月から3月までが課税期間の場合

・中間申告税額

(例)2018年6月に設立された資本金1億円の株式会社です。前課税期間は2018年6月から2019年3月で消費税額(地方消費税額を除く)は100万円でした。当課税期間は2019年4月から2020年3月です。
前課税期間の年消費税額は120万円(10カ月間で100万円なので年換算額は120万円)のため中間申告は1回です。2019年11月末までに60万円(=100万円×6/10)を中間申告・納付しないといけません。

(2) 400万円超4,800万円以下の場合

直前の課税期間の年消費税額400万円超4,800万円以下の場合、中間申告期限と中間申告税額は次のように定められています。

・申告納付期限

個人事業主、法人ともに課税期間開始の日から5カ月以内(1回目)、8カ月以内(2回目)、11カ月以内(3回目)に、ぞれぞれ中間申告と納付をしないといけません。

(個人事業主)

(法人)例:4月から3月までが課税期間の場合

・中間申告税額

(3) 4,800万円超の場合

直前の課税期間の年消費税額400万円超4,800万円以下の場合、中間申告期限と中間申告税額は次のように定められています。

・申告納付期限

個人事業主の場合、中間申告1回目から3回目は5月末日、4回目から11回目まではその後の毎月末が申告・納付期限になります。

法人の場合、中間申告1回目から2回目は課税期間開始から4カ月以内、3回目から11回目はその後の毎月末が申告・納付期限になります。

(個人事業主)

(法人)例:4月から3月までが課税期間の場合

・中間申告税額

法令等

この記事は2019年10月31日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。