第4回 モニタリングと分析、改善

年度予算が策定されたら実行フェーズへと移りますが、このとき大切なのは予算策定と実行だけで満足せずに十分なモニタリングと分析、改善をすることです。

なお、ここでの解説はたくさある方法のうち筆者の経験上有効と考える一つの方法です。各社の状況に合わせて最も適した方法は異なりますのでご注意ください。

予算のサイクル

年度予算が策定されたら後は実行に移りますが、予算策定に一生懸命になりすぎてその後のフォローが十分でないケースも見受けられます。策定された予算はその後のモニタリングと分析、改善アクションが伴って初めて価値を発揮しますので、モニタリング等が不十分だとせっかく苦労して策定した予算も価値が半減してしまいます

したがって、予算が策定されたら内容を全社員に十分に周知したうえで実行に移し、「モニタリングと分析」「改善」を繰り返しながら次の予算策定へとつなげていくことが理想的な姿と言えるでしょう。

定期的なプロセス

予算が策定されて実行に移ったら、少なくとも毎月一度は「予算 vs 実績比較」のモニタリングと異常値の分析を行い関係者で共有することが望ましいです。このときモニタリングで異常値が発見された場合には、速やかに原因を特定し、「(改善が必要な場合)改善策の検討→改善策の実行」へと移していくことが大切です。

改善につなげるポイント

定期的なモニタリングで大切なことは、最初は細かい数値にこだわりすぎないことです。最初からあまり細かい数値にこだわると大きな傾向を見逃す恐れがあるため、まずは大きな視点で会社全体の現状を把握し、どのような傾向にあるのか大まかなポイントを掴むことが大切です。

そして、異常値が発生している場合には発生原因を特定することが改善策へとつながりますが、前回までに解説した利益センタと原価センタを使って数値計画の策定とモニタリングしていると、これらの作業が非常にスムーズになります。

例えば、利益センタごとに損益を管理していると、重点商品である商品a1は売上金額は好調だが大幅な値引き販売と販売費用によって赤字に陥っている一方で、商品a2の売れ行きと利益が堅調といった分析が容易になり、その結果スピーディーに「a1の値引きを止める」「営業リソースを商品a1から商品a2に移す」などの改善案につなげることができます。

このようなモニタリングと分析、改善の活動を日頃から行っていれば、それらのデータが元になって自然と次の戦略と数値計画の策定につながるでしょう。

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