値引きが利益に与える影響とは?

売上が増えたからといって必ずしも利益も増えるとは限りません。場合によっては売上が増えたにも関わわらず赤字に転落しています場合もあります。今回は値引きが利益に与える影響をわかりやすく解説します。

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利益を増やす4つの方法

通常、損益計算は「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費」といった区分で表示されますが、損益分岐点をわかりやすく解説で解説したとおり、別の切り口から眺めてみると「売上」「変動費」「固定費」に区分することができます。

変動費と固定費の区分の例

そして、この切り口で損益計算書を分析すると、会社の利益を増やすには売上を増やす方法として「単価を上げること」と「販売数量を増やすこと」の2種類が、費用を減らす方法として「変動費を減らすこと」と「固定費を減らすこと」の2種類の合計4種類があることがわかります。

利益を増やす4つの方法

利益を増やす効果的な方法

それでは「売上単価増」「売上数量増」「変動費減」「固定費減」がどのように利益に影響を及ぼすのか比較するために、それぞれの方法で利益を20%増加させるシミュレーションをしてみます。

変動費が多いケース

変動費が多いケース(1個あたりの売上100円に対して変動費70円)でシミュレーションをしてみると、次のように「売上単価増」では単価2.0%増で利益が20%増加しました。その他、「売上数量増」では数量6.7%増、「変動費減」では変動費2.9%減、「固定費減」では固定費10%減でそれぞれ利益が20%増加することがわかります。

この結果から、利益を20%増やすのに最も効果的なのは、「売上単価増」だということがわかりますが、これは売上単価増の場合は「売上の増加額=利益の増加額」になるためだと言えます。変動費が多いケースで利益を20%増やす4つの方法

固定費が多いケース

次に固定費が多いケースでも同様のシミュレーションをしてみると、「売上単価増」では単価2.0%増、「売上数量増」では数量2.9%増、「変動費減」では変動費6.7%減、「固定費減」では固定費3.3%減でそれぞれ利益が20%増加し、やはり「売上単価増」が最も効果的だと分かります。

固定費が多いケースで利益を20%増やす4つの方法

実際には会社ごとの特徴が異なるため各社の状況に応じて選択できる方法は異なりますが、いずれにしても売上単価の増加が利益に対してとても大きなインパクトを与えるということがわかります。

このことは、逆に「値引き販売」は利益を大幅に減少させてしまうということにもつながります。

売上増でも利益が減る「値引き」の逆効果

売上単価が利益に与える影響をさらに詳しく見ていくために、売上単価を10%上げた場合と10%下げた場合を比較してみたいと思います。

次の図では売上高100,000円、変動費70,000円、固定費20,000円のケースを例にしていますが、このケースでは「売上単価の10%増で利益が2倍」になったのに対して、「売上単価の10%減では利益が0円」になってしまいました。

そして、売上単価10%減で減少した利益を挽回するために、どれだけ売上数量を増やせばよいか計算したところ、なんと50%もの売上数量増が必要なことがわかりました。つまり、このケースでは10%値引きしたならば売上数量を50%増やさないと利益が減少することを意味します。

売上単価と利益の関係

このように売上単価は利益に対して非常に大きな影響を及ぼすため、利益の観点から考えると商品の品質やサービスなどで他社との差別化を図る方が低価格によって集客を増やすことよりも好ましいと言えるでしょう。

また、値引き販売するのであれば、売上だけではなく入念に利益額のシミュレーションをしておき、売上が増えても利益が減るという結果にならないようにすることが大切です

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