第7回 損益分岐点分析

前回は損益計算書の見方として5つの利益について解説しましたが、少し見方を変えて損益計算書を「売上高」「固定費」「変動費」という区分で見てみると、利益と損失の境界線である「損益分岐点」が見えてきます。

変動費と固定費

損益計算書では収益や費用を「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費」と区分し、さらに販売費及び一般管理費は「給与」や「減価償却費」「広告宣伝費」といった各科目に分けられています。もちろんそういった見方も大切ですが、少し違う角度から損益計算書を眺めてみると「売上高」「変動費」「固定費」に区分することができます

「変動費」とは売上の増減にあわせて増減する費用で、仕入原価や製造原価、販売のために使用する消耗品などがあげられます。一方で「固定費」とは、売上の増減に左右されずに一定の金額が発生する費用で店舗の家賃や人件費、減価償却費などが該当します。

ただし、例えば家賃や人件費、減価償却費など一般的に固定費とさえるものであっても売上がある程度以上になった場合には、新たな従業員を雇用したり設備投資したりするため100%全てが固定費とは言い切れません。また、反対に変動費とされているものの中にも固定費としての要素を含んでいる部分がありますので、正確な分析のためには変動費の部分と固定費の部分を慎重に分解する必要があります。

損益分岐点

費用を流動費と固定費に分類することができたら、次の図ように売上数量に対して費用がどのように変化するのかを分析します。このとき固定費の割合が低い場合はローリスク型、固定費の割合が高い場合はハイリスク方の事業であると言えるでしょう。

そして先ほど作成した図に売上のラインを重ねて売上と費用が交差する点が損益分岐点になり、商品を何個販売すれば(例えば飲食店であれば「何人の来客があれば」)損益がプラスマイナスゼロになるかの境界線が分かります。

損益分岐点を下げる3つの方法

損益分岐点が算出できたら、次に自社の損益分岐点を下げて(図の左側に動かして)利益が出やすい体質にする方法を検討する必要があります。具体的な方法としては「売上単価の引き上げ」「固定費の引き下げ」「変動費の引き下げ」の3つの方法がありますが、「利益率が低い」「固定費が高すぎる」などといった各社の状況に応じて最も効果的な方法を探る必要があります。

売上高と流動費、固定費の関係をさらに詳しく分析し、これらがどのようにして会社の利益に影響を及ぼすのかをについては次回、詳しく解説します。

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