内部留保とは何か?わかりやすく解説

財務省のデータによれば2018年度の日本企業の内部留保額は過去最大の463兆円にまで膨らんでいますが新聞やテレビでは「日本企業の内部留保が増加している」と報道されています。

そしてこのことについて一部の政治家や評論家からは「日本企業は投資をしないから内部留保が増え続けているんだ」という批判が出ていますが本当でしょうか?今回は内部留保とはどのようなものなので、内部留保と会社の資金との関係についてわかりやすく解説します。

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内部留保とは?

内部留保といえば「内部に留保するのだから、金庫の中に入っている現金や銀行に預けている預金のことかな?」と思われるかもしれませんが「内部留保=現金や預金」とは限らないのです。つまり多額の内部留保があるからと言って必ずしも多額の現金や預金を持っているとは限らないということです。

貸借対照表の読み方のポイントで貸借対照表の右側(負債と純資産)は「資金をどのようにして集めたのか」を表すもので、左側(資産)は「集めた資金を何に換えたか」を表すものと解説しましたが、内部留保とは貸借対照表の右側の純資産のうちそれまでに稼いだ利益の部分(利益剰余金)のことをいいます

例えば貸借対照表の右側が借入金400万円、株主からの出資1,000万円、それまでに稼いだ利益600万円の合計2,000万円だとすれば、内部留保とはそれまでに稼いだ利益の600万円のことを指し、だからといって「現金や預金が600万円あるか?」といえば下図のようにそうとは限りません。

内部留保が増えるのは悪いこと?

一部の政治家や評論家は「日本企業は投資をしないから内部留保が増え続けている」と主張していますが、そのような主張が正しいかと聞かれれば正しくはありません。また、内部留保が多いからと言って会社が多くの資金を無駄に寝かせているとも限りません

例えば次の図のように300万円の現金を保有する会社が現金の全てを使って新しい機械を導入した場合を考えてみると、現金300万円という資産が機械300万円という資産に置き換わるだけで内部留保の金額は全く変わりません。

このことは内部留保が増えるということが利益が蓄積されて純資産(資産と負債の差額)が増えていることを意味するだけであって、会社が実際に現金や預金を貯めこんでいるかどうかとは別問題だからです。

むしろ十分な内部留保があるということは、会社の財政状態が安全であることを意味します。

「内部留保=資金の無駄」とは限らない

ではどうなれば内部留保が減少するのかと言えば「利益の額以上に配当をすること」や「赤字になること」によって内部留保は減少します

一方、利益の額よりも配当金が少なければ、たとえ多額の設備投資をしていたとしても、内部留保の金額は増えていきます。

内部留保が減少する場合

したがって会社の内部留保が多いことをに対して株主が「配当が少なすぎるからだ!」と主張することは理屈として正しいのですが、内部留保が大きいことだけをもって「設備投資不足」や「資金を無駄に寝かせている」とは言えないわけです。

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