第1回 決算書(財務諸表)とは?

会社は毎年貸借対照表や損益計算書などの決算書(財務諸表)を作成して決算報告しますが、決算書とは具体的にはどのようなもので、どのようにすれば決算書を有効活用できるのか、重要ポイントを今回から全10回で解説していきます。

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財務諸表はなぜ必要?

会社には株主や債権者、取引先、役員や従業員といった数多くのステークホルダー(利害関係者)が存在し、例えば社長であれば経営のために自社の状態を把握する必要がありますし、債権者であれば債権を回収できそうか気になるところです。

そこで会社には定期的に貸借対照表や損益計算書といった財務諸表を作成し、自社の財政状態や営業成績などをステークホルダーに報告する義務があります。

財務諸表にはどんなものがある?

財務諸表には貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書、附属明細表といった書類がありますが、このうち特に重要とされるのが財務3表ともよばれる貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の三つです。

「決算書入門」ではこの財務3表についてこれから詳しく解説します。

財務3表の概要

貸借対照表(B/S)

貸借対照表は決算日現在の会社の財政状態を報告するもので、表の左側には保有する資産が、右側には負債と純資産(純資産=資産と負債の差額)が記載されています。したがってステークホルダーは貸借対照表を見ればその会社が決算日現在にどのような状況だったのかを知ることができます。また、貸借対照表は「バランスシート」と呼ばれることもあります。

貸借対照表の例

なお、純資産は資産と負債の差額ですので、貸借対照表は必ず「資産=負債+純資産」となる仕組みになって、この等式を貸借対照表等式といいます。

貸借対照表等式

損益計算書(P/L)

損益計算書は当期の経営成績を報告するもので、貸借対照表が決算日現在の財政状態を報告するものだったのに対して、損益計算書は過去1年間(年次決算の場合)のパフォーマンスを報告するものです。

具体的には売上(収益)や費用の額、そしてその差額として計算される利益の額が記載されているので、損益計算書を見ればその会社が当期にどうやって、どれだけ儲けたのかを知ることができます。

損益計算書の例

利益の計算式

キャッシュ・フロー計算書(C/F)

キャッシュ・フロー計算書は貸借対照表と損益計算書に次ぐ第3の財務諸表とも呼ばれ、キャッシュ(現金や預金など)が当期中どのように増減したのかを報告するものです。

貸借対照表を見ればキャッシュが決算日現在いくらあったのかを知ることができますし、損益計算書を見れば過去1年間の損益を知ることができますが、キャッシュが「どのようにして増えたのか」「どのようにして減ったのか」を知ることはできないため、キャッシュ・フロー計算書が必要になるというわけです。

◆営業活動によるキャッシュ・フロー
売上や仕入、人件費など通常の営業活動によるキャッシュの増減

◆投資活動によるキャッシュ・フロー
固定資産や有価証券などの取得や売却によるキャッシュの増減

◆財務によるキャッシュ・フロー
借入れや返済、株式発行などによるキャッシュの増減

キャッシュフロー計算書の例

財務3表の関係

ここまで財務3表の概要を紹介してきましたが、財務3表はそれぞれが独立しているものというわけではなく、次のように互いにつながってる仕組みになっています。このつながりが理解できると、会社の状況をより正確にイメージしやすくなります。

◆貸借対照表と損益計算書
…貸借対照表の「純資産の増加額」は損益計算書の「利益」と一致します。
◆損益計算書とキャッシュ・フロー計算書
…キャッシュ・フロー計算書の「現金及び同等物の増減額」は損益計算書の利益に一定の調整をして計算します。
◆貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書
…貸借対照表の「キャッシュ(現金預金など)」はキャッシュ・フロー計算書の「期首・期末残高」と一致します

財務3表の関係図

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