2.7 法人税の税率

法人税の額は所得金額に税率を乗じて計算しますが、法人と一口に言っても、例えば株式会社のように営利を目的とする法人と学校法人のように公益を目的とする法人とでは大きく性格が異なるため、法人税では法人の区分ごとに税率を変えています。

法人税額と税率の関係

法人税では各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額から損金の額を控除して計算した所得金額に税率を乗じて税額を計算します。ただし、損金の額が益金の額よりも大きい場合、法人税額は0円になります。

法人税の税率

普通法人

普通法人とは株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、一般社団法人、一般財団法人、医療法人等の法人をいいます。普通法人では資本金又は出資金の金額に応じて、適用される税率が異なります。

・資本金1億円以下の普通法人
普通法人のうち資本金又は出資金が1億円以下のものや、資本金又は出資金がないものをいいます。ただし、資本金又は出資金が5億円以上の法人の100%子法人などは除きます。

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
800万円以下の部分 15% 15% 15% 15%(※)
800万円超の部分 23.9% 23.4% 23.2% 23.2%

(※)適用除外事業者の場合は19%

(例)2018年10月1日に設立された資本金1,000万円の中小法人です。設立第一期(事業年度)は2018年10月から2019年3月の6カ月間で、所得金額が500万円の場合

年所得金額 税額
400万円以下(800万円×6月/12月)の部分 400万円×15%=60万円
400万円超(800万円×6月/12月)の部分 100万円×23.2%=23.2万円
60万円+23.2万円=83.2万円

・その他の普通法人

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
全ての部分 23.9% 23.4% 23.2% 23.2%
(例)資本金5億円株式会社で、2018年4月1日から2019年3月31日までの事業年度の所得金額が1億円の場合

年所得金額 税額
全ての部分 1億円×23.2%=2,320万円

公益法人等の税率

公益法人等とは公益を目的とする法人で、具体的には宗教法人、学校法人、公益社団法人、公益財団法人等をいいます。公益法人等が収益事業を行った場合、その収益事業については法人税を納税する義務があります。

(用語の解説)収益事業
収益事業とは、販売業や製造業等(全部で34種類)の収益を得るための事業で、継続して事業場を設けて行うものをいいます。収益の獲得を目的とした事業は原則として収益事業になります。

・公益社団法人、公益財団法人、非営利型法人、公益法人等とみなされているもの

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
800万円以下の部分 15% 15% 15% 15%(※)
800万円超の部分 23.9% 23.4% 23.2% 23.2%

(※)適用除外事業者の場合は19%

(用語の解説)公益法人等とみなされているもの
公益法人等とみなされているものとは、認可地縁団体、管理組合法人、団地管理組合法人、法人である政党等、防災街区整備事業組合、特定非営利活動法人、マンション建替組合、マンション敷地売却組合をいいます。

・その他の公益法人等

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
800万円以下の部分 15% 15% 15% 15%(※)
800万円超の部分 19% 19% 19% 19%

協同組合等の税率

協同組合等とは、組合員の相互扶助を目的とするもので、具体的には農業協同組合、漁協共同組合、信用金庫などが含まれます。

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
800万円以下の部分 15% 15% 15% 15%(※1)
800万円超の部分 19%(※2) 19%(※2) 19%(※2) 19%(※2)

(※1)適用除外事業者の場合は19%
(※2)特定の協同組合等(一定規模以上の組合等)の年所得金額10億円超の部分については22%の税率
(※3)協同組合等が連結親法人の場合は税率が異なります

人格のない社団等の税率

人格のない社団等とは、法人ではない社団又は財団で代表者又は管理人が定められているもので、具体的にはPTA、同窓会、同業者団体等です。人格のない社団等が収益事業を行った場合には法人税の納税義務があります。

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
800万円以下の部分 15% 15% 15% 15%(※)
800万円超の部分 23.9% 23.4% 23.2% 23.2%

特定の医療法人の税率

特定の医療法人とは、医療の普及や向上、社会福祉への貢献などに著しく寄与し、公的に運営されている一定の医療法人で国税庁長官の承認を受けたものをいいます。

年所得金額 2015年4月以降
開始事業年度 
2016年4月以降
開始事業年度 
 
2018年4月以降
開始事業年度 
 
2019年4月以降
開始事業年度 
 
800万円以下の部分 15% 15% 15% 15%(※1)
800万円超の部分 19% 19% 19% 19%

(※1)適用除外事業者の場合は19%
(※2)協同組合等が連結親法人の場合は税率が異なります

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1.1 法人税の納税義務者
2.1 法人税の計算の全体像

法令等

この記事は2019年9月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。