2.4.3.2 中古で取得した減価償却資産の償却

減価償却資産は法定耐用年数にわたって減価償却するのが通常ですが、中古の減価償却資産の場合、実際に使える期間が法定耐用年数よりも短いと考えられます。そこで中古の減価償却資産については新品とは別の方法で耐用年数を決めることになっています。

中古資産を取得した場合の耐用年数

中古資産を取得した場合、原則として合理的に見積ったその中古資産の使用可能年数を耐用年数としますが、使用可能年数を見積るための合理的なデータがなく、見積もりに特別の調査が必要だったり、多額の費用がかかるような場合には簡便な方法によって中古資産の耐用年数を決めることも認められています。

もちろん法定耐用年数をそのまま使用することも可能ですが、中古資産としての耐用年数を適用した方が短期間で減価償却できるので節税効果があると言えます。

見積もった耐用年数

中古で取得した減価償却資産の使用可能期間を合理的に見積もって決めます。

簡便法による耐用年数

中古で取得した減価償却資産の使用可能期間を合理的に見積もることが難しい場合の方法です。中古で減価償却資産を取得した場合、使用可能期間を合理的にに見積もることは簡単でなありませんので実務ではこの方法を使うことが多いです。

簡便法による耐用年数は次のいずれかの方法で計算します。ただし計算の結果が2年未満の場合は2年、1年未満の端数が出た場合は切り捨てます。

・取得した中古資産が法定耐用年数を全て経過している場合

法定耐用年数×20%

(例)中古の自動車を購入しました。法定耐用年数は6年で既に8年使用しています。
法定耐用年数の全てを経過しているので次のように耐用年数を計算します。
法定耐用年数6年×20%=1.2年→2年未満なので2年

・取得した中古資産が法定耐用年数の一部を経過している場合

(法定耐用年数-経過年数)+経過年数×20%

(例)中古の自動車を購入しました。法定耐用年数は6年で既に2年使用しています。
法定耐用年数の一部を経過していますので次のように耐用年数を計算します。
(法定耐用年数6年-経過年数2年)+経過年数2年×20%=4.4年→4年(端数切捨て)

中古資産を取得した場合で既に何年使用されているのかその経過年数が分からない場合は、その中古資産の構造や形式、表示されている製作の時期などから経過年数を見積もったうえで、簡便法を適用します。

中古資産に資本的支出をした場合

取得した中古資産を事業の用に供するにあたってリフォームなど資本的支出をした場合、通常の中古資産よりも長い期間にわたって使用することができると考えられます。

したがって取得した中古資産に資本的支出をした場合、中古資産とは異なった特別な方法で耐用年数を決めます。

資本的支出とは
固定資産の修理や改良などのための支出で、その固定資産の価値を高めたり耐久性を増すためのものです。

(資本的支出の例)

資本的支出の額に応じてつぎのとおり耐用年数を決めます。

・資本的支出が中古資産の取得価額の50%以下
見積もった耐用年数、または、簡便法の耐用年数(資本的支出がない場合と同じ)

・資本的支出が中古資産の取得価額の50%超、再取得価額(※)の50%以下
(※)同じものを新品で取得する場合の価額
見積もった耐用年数、または、次の計算式で計算した耐用年数

・資本的支出が中古資産の再取得価額×50%超
法定耐用年数(新品同様の資産と考えます)

(例)中古の機械を100万円で取得して資本的支出を60万円しました。再取得価額が150万円、法定耐用年数が10年、経過年数6年の場合。耐用年数の見積もりは困難です。
資本的支出60万円は取得価額の50%超かつ再取得価額の50%以下なので、上記の計算式で耐用年数を計算します。
(1)最初に簡便法の耐用年数を計算します。
(10年-6年)+6年×20%=5.2年→5年(端数切捨て)
(2)次に計算式にあてはめて耐用年数を計算します。
(100万円+60万円)÷{(100万円/5年)+(60万円/10年)}=6.15年→6年(端数切捨て)
(3)この場合、耐用年数は6年になります

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2.4.3 減価償却資産の取得価額と償却費

法令等

この記事は2018年12月31日現在の法令等に基づいて書かれています。