法人税の損金の計算方法-基礎編

法人税の所得金額は「益金-損金」として計算され、計算された所得金額に法人税率を乗じることによって法人税額を計算しますが、「損金とは何か?」「どのように計算するか?」といった損金の計算の基礎について解説します。

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損金とは?

法人税の「損金」とは企業会計でいうところの「費用」に相当するものですが、両者は似ているものの相違する部分もあるため、「損金の定義」と「費用との違い」を正しく理解することが法人税を計算する上で必要になってきます。

損金の原則

損金は原則として次の(1)~(3)のものをいいます(ただし別段の定めによって特別な取り扱いが設けられているものもあります)。

(1)売上原価、完成工事原価などの原価

商品や製品など棚卸資産の売上原価や請け負った工事の完成工事原価などは、次の計算式で計算した金額が損金になります。

(例)期首商品10万円、当期仕入50万円、期末商品20万円の場合
 売上原価:期首商品10万円+当期仕入50万円-期末商品20万円=40万円

(2)販売費及び一般管理費、営業外費用

「販売費及び一般管理費」とは給与や家賃、光熱費、償却費などの費用をいい、「営業外費用」とは借入金の利息などの費用をいいますが、これらの費用については償却費を除いて債務が確定したときの損金になります。

したがって、これらの費用は未払いであっても債務が確定してさえいれば損金になりますが、既に支払い済みであっても前払金や手付金などは債務が確定するまでは損金にはなりません。

なお、債務が確定しているとは「1.債務が成立している」「2.給付の原因となる事実が発生している」「3.金額を合理的に計算できる」という3つの要件を全て満たすものをいいます。

(例)事務所の修繕を業者に依頼(契約)した場合
債務確定の3要件を満たしている場合には損金になります。次の例では「1.契約で支払いを約束している」「2.修繕が完了している」「3.見積書で金額が分かる」ため損金になります。

(3)特別損失

土地や建物など固定資産の売却損や災害損失など、特別損失は損金になります。

特別な取り扱い

法人税では原則として上記の(1)から(3)に該当するものを損金としていますが、なかには特別な取り扱いがされるものがありますので、代表的なものとして「役員給与」「交際費等」「寄附金」の三つを紹介します。

役員給与

役員報酬や役員賞与などをまとめて役員給与といい、企業会計では費用として取り扱われますが法人税では定期同額給与など一定の要件を満たすもの以外は損金になりません。

定期同額給与
支払額が毎月同額の役員給与を定期同額給与といい損金になります。

交際費等

法人税では得意先や仕入先など事業に関係のある人に対する接待交際や贈答等の費用を冗費と考えており、冗費の抑制を促すために交際費等については一定の方法で計算した金額を除いて損金にすることができません。

寄附金

法人が慈善団体などに金銭や物品などを寄附することもありますが、寄附金は法人の営業活動とは直接関係しないもので、支出した寄附金を無制限に損金として認めた場合、寄附するほど損金が増えて法人税が減少する結果になります。

そこで法人税では寄附金の損金算入に一定の制限を設けており、限度額を超える寄附金は損金にならないことになっています。

法令等

この記事は2020年4月1日現在の法令等に基づいて書かれています。また、この記事は税法学習者に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。

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