2.3.7 生命保険料の取り扱い

経営の安定化を図るために、法人が役員や使用人を被保険者とする生命保険に加入することがありますが、生命保険料を支払った場合の法人税の取り扱いについては、その保険契約の内容に応じてそれぞれ定められています。

生命保険の取り扱い(概要)

法人税では役員や使用人を被保険者とする生命保険を次のように、養老保険、定期保険(一般の定期保険、長期平準定期保険、逓増保険)、定期付養老保険の三種類に区分しています。

生命保険料の区分 内容
定期保険 被保険者が死亡した場合に死亡保険金が支払われる保険
養老保険 被保険者が死亡した場合に死亡保険金、満期の場合に満期(生存)保険金が支払われる保険
定期付養老保険 養老保険に定期保険特約が付いているもの

なお、定期付養老保険は養老保険と定期保険が組み合わさったものですので、保険料の取り扱いについては、保険料が養老保険分と定期保険分に区分されている場合は、それぞれを養老保険または定期保険として取り扱い、区分されていない場合は養老保険として取り扱います。

定期保険

定期保険とは被保険者が死亡した場合に死亡保険金が支払われる保険で、保険金額や被保険者の年齢、保険期間に応じて、次のフローチャート(2008年2月28日以降契約分)のように、一般の定期保険、長期平準定期保険、逓増定期保険の三種類に区分されます。

一般の定期保険

一般の定期保険では、次のとおり死亡保険金の受取人の応じて、保険料の取り扱いが決められています。

死亡保険金の受取人 保険料の取り扱い
保険契約者である法人 保険料として期間の経過に応じて損金になります。
被保険者(役員や社員)の遺族 保険料として期間の経過に応じて損金の額になりますが、役員や特定の使用人(親族を含む)のみを被保険者としている場合には、その役員または使用人に対する給与として取り扱います。

長期平準定期保険

長期平準定期保険の保険料(役員又は使用人の給与になるものを除く)は、次のように保険期間開始から60%までの期間とそれ以降の期間に区分して保険料の取り扱いが定められています。

死亡保険金の受取人 保険料の取り扱い
保険期間の60%までの期間(1年未満の端数切捨て) 保険料の1/2を前払金として資産計上し、それ以外の部分は一般の定期保険と同様に取り扱います。
上記以降の期間 支払った保険料の額は一般の保険料と同様に取り扱います。前払金として資産計上されている金額は期間の経過に応じて取り崩します。

逓増定期保険

長期平準定期保険の保険料(役員又は使用人の給与になるものを除く)についても、長期平準保険と同様に、保険期間開始から60%までの期間とそれ以降の期間に区分して保険料の取り扱いが定められています。

死亡保険金の受取人 保険料の取り扱い
保険期間の60%までの期間(1年未満の端数切捨て) 被保険者の年齢などに応じて支払った保険料の1/2、2/3又は3/4を前払金として資産計上し、それ以外は一般の定期保険と同様に取り扱います。
上記以降の期間 支払った保険料の額は一般の保険料と同様に取り扱います。前払金として資産計上されている金額は期間の経過に応じて取り崩します。

養老保険

養老保険とは被保険者が死亡した場合に死亡保険金、満期の場合に満期(生存)保険金が支払われるものをいい、支払った保険料については次のように取り扱います。

保険金の受取人 保険料の取り扱い
死亡保険金:保険契約者である法人
満期保険金:保険契約者である法人
支払った保険料は保険事故の発生や保険契約の解除などで保険契約が終了するまでは保険積立金(資産)として計上します。
死亡保険金:被保険者の遺族
満期保険金:被保険者
支払った保険料は、その役員又は使用人に対する給与として取り扱います。
死亡保険金:被保険者の遺族
満期保険金:保険契約者である法人
支払った保険料のうち2分の1は保険事故の発生や保険契約の解除等で保険契約が終了するまで保険積立金(資産)として計上し、残りの2分の1は期間の経過に応じて損金にします。
(役員や特定の使用人(親族を含む)のみを被保険者としている場合は、その役員又は使用人に対する給与として取り扱います)

定期付養老保険

定期付養老保険のうち、保険料が生命保険料と養老保険料に区分されているものは、それぞれ生命保険又は養老保険の保険料として取り扱います。生命保険料と養老保険料に区分されていない場合は、養老保険の保険料として取り扱います。

保険料の区分 保険料の取り扱い
定期保険と養老保険に区分されている それぞれ定期保険及び養老保険の保険料として取り扱います。
定期保険と養老保険に区分されていない 養老保険の保険料として取り扱います。

関連記事

2.3 損金の計算の基礎

法令等

この記事は2018年12月31日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。