法人税における租税公課の取扱い

法人が納付する税金は原則として損金にできるのですが、中には「損金にはできない税金」があったり、損金にできる税金でも「損金に算入する時期」について細かなルールがあったりします。

損金にできない税金

法人の所得金額を計算するにあたって、損金にできない税金として主に次のものがあります。

法人税、地方法人税、都道府県民税、市町村民税

法人税(退職年金等積立金に対する法人税を除く)や地方法人税、都道府県民税、市町村民税は損金にはなりません。ただし、事業税や退職年金等積立金に対する法人税は損金になります。

法人税から控除する所得税、復興特別所得税

法人が源泉徴収された所得税や復興特別所得税は所得税額控除によって納付する法人税額から控除(又は還付)することができますが、所得税額控除の対象になった金額は損金にはなりません。

(例)銀行利息の源泉所得税10,000円を所得税額控除した場合
所得税額控除をした10,000円は損金にすることはできません。

法人税から控除する外国法人税

法人が納付した外国法人税は外国税額控除によって法人税額から控除することができますが、外国税額控除の対象になった金額は損金にはなりません。

延滞税や過少申告加算税など

加算税や加算金、延滞税、延滞金(納期限の延長による延滞金を除く)、過怠税は「申告した税額が少なかった」「納付が遅れた」などに対するペナルティとして課される税金です。ペナルティとして課されたこれらの税金が損金になってしまうと、本来のペナルティとしての効果が薄れてしまうため損金にはなりません。

損金算入時期

申告納税方式の税金

事業税、特別法人事業税、事業所税、酒税など申告納税方式の税金は「申告書を提出した事業年度」又は「更正、決定があった事業年度」の損金になります。

区分 損金算入時期
納税申告(確定申告や中間申告等)で納める場合 申告書を提出した事業年度(※1、※2)
更正、決定があったため納める場合 更正、決定があった事業年度(※1、※2)

(※1)直前の事業年度分の事業税及び特別法人事業税ついては、その事業年度終了の日までに申告や更正、決定がされていない場合でも、その事業年度の損金にすることができます。

(※2)収入金額又は棚卸資産の評価額に申告期限未到来の酒税等が含まれている場合や、製造原価や工事原価等に申告期限未到来の事業所税等が含まれている場合で、損金経理により未払金に計上しているときは、それらの租税公課は、損金経理をした事業年度の損金になります。

賦課課税方式の税金

固定資産税、不動産取得税、自動車税、都市計画税など賦課課税方式の税金は「賦課決定があった事業年度」の損金になります。

区分 損金算入時期
賦課決定で納税する税金 賦課決定があった事業年度(※3)

(※3)納期が開始した日(納期が分割している場合は分割した納期が開始した日)又は実際に納付した日の属する事業年度に損金経理している場合は、その事業年度の損金になります。

特別徴収方式の税金

ゴルフ場利用税、軽油引取税など特別徴収方式の税金は「納入申告書を提出した事業年度」又は「更正、決定があった事業年度」の損金になります。

区分 損金算入時期
納入申告書で納める場合 納入申告書を提出した事業年度(※4)
更正、決定があったため納める場合 更正、決定があった事業年度

(※4)申告期限未到来のものにつき収入金額に納入金額が含まれていて、かつ、その金額を損金経理により未払金に計上しているときは、損金経理した事業年度の損金になります。

利子税、延滞金(納期限の延長分)

利子税や延滞税(納期限の延長分)は「納付した事業年度」の損金になります。

区分 損金算入時期
利子税、延滞金
(申告期限の延長によらない延滞金を損金不算入)
納付した事業年度(※5)

(※5)利子税や延滞金の未納額うち、その事業年度分を損金経理により未払金に計上しているときは、損金経理をした事業年度の損金になります。

法令等

この記事は2020年4月1日現在の法令等に基づいて書かれています。また、この記事は税法学習者に税法の一般的な取り扱いを解説するものですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。

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