2.3.5 租税公課を支出した場合

法人が税金を納付する場合、法人税では原則として損金になりますので、納付する税額に応じて法人税の額が少なくなります。ただし、損金にはできない税金があったり、損金にできるものでも損金算入時期について一定のルールがあるため注意が必要です。

損金にならない税金

法人税の計算上、損金にならない税金としては主に次のものがあります。これらの税金は損金になりませんので、いくら納税しても法人税の節税にはつながりません。

損金にならない税金
(1)法人税、地方法人税、都道府県民税、市町村民税
(2)法人税から控除する所得税、復興特別所得税
(3)法人税から控除する外国法人税
(4)延滞税や過少申告加算税など

法人税、地方法人税、都道府県民税、市町村民税

法人税(退職年金等積立金に対する法人税を除く)や地方法人税、都道府県民税、市町村民税は、各事業年度の法人の利益に対して課税されるものですので、法人税の計算上、損金にはなりません。

ただし、事業税や、退職年金等積立金に対する法人税等は損金になります。

法人税から控除する所得税、復興特別所得税

法人が納付した所得税や復興特別所得税は、所得税額控除によって法人税額から控除(又は還付)することができますが、所得税額控除の対象になった金額は、法人税の計算上、損金になりません。

(例)銀行利息に対して1,000円の所得税が源泉徴収された場合、所得税額控除によって、法人税から1,000円控除できますが、この場合、所得税額控除の対象になった1,000円は損金になりません。

法人税から控除する外国法人税

法人が納付した外国法人税は、外国税額控除によって法人税額から控除することができますが、外国税額控除の対象になった金額は、法人税の計算上、損金になりません。

延滞税や過少申告加算税など

加算税や加算金、延滞税、延滞金(納期限の延長による延滞金を除く)、過怠税は、申告した税額が少なかったり、納付が遅れたりしたことに対するペナルティですが、ペナルティとして課されたこれらの附帯税が損金になってしまうと、本来のペナルティとしての意味合いが薄れてしまうため、法人税の計算上、損金になりません。

損金算入時期

法人税の計算上、租税公課は次のそれぞれに定める時期の損金になります。

申告納税方式の税金

事業税、地方法人特別税、事業所税、酒税等

区分 損金算入時期
納税申告(確定申告や中間申告等)で納める場合 申告書を提出した事業年度(※1、※2)
更正、決定があったため納める場合 更正、決定があった事業年度(※1、※2)

(※1)直前の事業年度分の事業税及び地方法人特別税ついては、その事業年度終了の日まで申告や更正、決定がされていない場合でも、その事業年度の損金にすることができます。

(※2)申告期限未到来の酒税等が収入金額や棚卸資産の評価額に含まれている場合や、申告期限未到来の事業所税等が製造原価や工事原価等に含まれている場合で、損金経理により未払金に計上しているときは、それらの租税公課は、損金経理をした事業年度の損金になります。

賦課課税方式の税金

固定資産税、不動産取得税、自動車税、都市計画税等

区分 損金算入時期
賦課決定で納税する税金 賦課決定があった事業年度(※3)

(※3)納期が開始した日(納期が分割している場合は分割した納期が開始した日)、又は実際に納付した日に損金経理している場合には、損金経理をした事業年度の損金になります。

特別徴収方式の税金

ゴルフ場利用税、軽油引取税等

区分 損金算入時期
納入申告書で納める場合 申告書を提出した事業年度(※4)
更正、決定があったため納める場合 更正又は決定があった事業年度

(※4)収入金額に申告期限未到来の税額が含まれていて、かつ、その金額を損金経理により未払金に計上しているときは、損金経理した事業年度の損金になります。

利子税、延滞金(納期限の延長分)

区分 損金算入時期
利子税、延滞金
(申告期限の延長によらない延滞金を損金不算入)
納付した事業年度(※5)

(※5)利子税や延滞金の未納額うち、その事業年度分を損金経理により未払金に計上しているときは、損金経理をした事業年度の損金になります。

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2.3 損金の計算の基礎

法令等

この記事は2018年11月30日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。