2.3.3 交際費等を支出した場合

得意先の接待で食事やゴルフに行かれる方も多いと思いますが、法人税では交際費等を無駄な支出と考えており、また企業の交際費等が増えすぎると公正な取引が阻害されて正常な競争以外で取引価格が決まってしまう恐れがあると懸念しています。

そこで法人税では交際費等の使用を抑制するために、交際費等の損金算入に一定の制限を設けています。

通常、費用が増えればその分だけ利益が減るので法人税等の税金も減りますが、交際費等が損金にならなければ法人税等は減りませんので、交際費等を抑制する効果があると考えたわけです。

交際費等の範囲

法人税の交際費等は、交際費や接待費、機密費などの費用で得意先や仕入先など事業に関係がある人に対する接待、供応、慰安、贈答などの支出です。

なお、ここでいう事業に関係がある人にはその法人の役員や従業員なども含まれますので、例えば社内における役員や従業員だけでの飲食であっても、社員同士の交際ということで交際費等になる場合があります。したがって、法人税の交際費等は一般的にいう接待交際のイメージよりも範囲が少し広いかもしれません。

交際費等にならないもの

次のようなものは福利厚生費、会議費、広告宣伝費などに該当しますので交際費等にはなりません。

・社員旅行など
従業員のために開催する旅行や運動会など

・少額の飲食費
飲食や弁当代などで一人あたり5,000円以下のもので支出した年月日などを記載した書類を保存しているもの(専らその法人の役員や社員、その親族に対する接待などを除く)

・宣伝用資産の贈与
宣伝のために作成したカレンダーや手帳、タオルなどの贈与

・会議費
会議で提供される弁当や茶菓など

・取材費
取材、番組制作のための座談会などでかかる費用

・その他の費用
寄附金や値引き(割り戻し)、広告宣伝費、福利厚生費、給与などになるもの

(少額飲食費の例)得意先2名を接待するため当社社員2名を含む計4名で飲食し、16,000円を支払った場合
一人当たりの金額が4,000円(16,000円/4名)で5,000円以下のため交際費等にはなりません。したがって全額を損金に算入できます。
ただし、社員旅行や広告宣伝資産、会議費、取材費といった上記の要件を満たしていても、一般的な水準を超えている場合(例えば豪華すぎる社員旅行や高額過ぎる会議費など)は交際費等になる場合があります。

損金不算入額

交際費等のうち損金不算入になる金額は、事業年度末の資本金または出資金の金額に応じて次の方法で計算します。

資本金または出資金が1億円以下の法人の場合

資本金または出資金が1億円以下の法人(資本金5億円以上の法人や相互会社の子会社などを除きます)の場合は、交際費等のうち次の定額控除限度額または飲食費等の50%までが損金になり、これらを超える部分の金額は損金不算入になります。

なお、定額控除限度額と飲食費等の50%のどちらを選択するかは法人が任意に選択できるので、定額控除額と飲食費等の50%を比較して損金に算入できる額の多い方を選択すれば法人税を少なくすることができます。

方法1:定額控除限度額

交際費等のうち年間800万円までを損金に算入できます。

(例)資本金1億円で交際費等600万円、事業年度が2018年4月1日から9月30日の6カ月間の場合
定額控除限度額(損金算入額) 800万円×(6カ月/12カ月)=400万円
損金不算入額 600万円-400万円=200万円

方法2:飲食費等の50%

飲食費等の50%までを損金に算入できます(ただし、一人あたり5,000円以下の飲食費等は、そもそも交際費等ではないので全額を損金に算入できます)

(例)資本金1億円で交際費等が600万円(そのうち飲食費等が400万円)の場合
飲食費等の50%(損金算入額) 400万円×50%=200万円
損金不算入額 600万円-200万円=400万円

有利な方法の選択

資本金または出資金が1億円以下の法人は、定額控除限度額と飲食費等の50%のいずれの方法にするか任意に選択することができます。したがって、実際に両方の方法で計算してみて、損金に算入できる額が多い方法を選べば法人税を少なくすることができます。

(例)資本金1億円で交際費等が2,000万円(そのうち1,000万円が飲食費等)の場合。事業年度は1年間とします。
・定額控除限度額 800万円
・飲食費等の50% 1,000万円×50%=500万円
この場合、定額控除限度額の方が損金算入額が多いので定額控除限度額を選んだ方が法人税が少なくなります。

それ以外の法人の場合

資本金または出資金1億円以下の法人の場合は、方法1:定額控除限度額と方法2:飲食費等の50%のいずれかの方法を任意に選択できましたが、それ以外の法人の場合は方法1:定額控除限度額を選択できません。

したがって、方法2:飲食費等の50%によって損金不算入額を計算します。

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2.3 損金の計算の基礎
2.3.3.1 交際費等と他の費用との区別

法令等

この記事は2018年12月31日現在の法令等に基づいて書かれています。