2.3.3.1 交際費等と他の費用との区別

法人税では交際費等の損金算入に一定の制限がありますが、例えば会議の途中で提供した飲食は交際費等に含まれるか?など判断に迷う場面も少なくありません。交際費等とそれ以外の費用との区別について解説します。

交際費等と他の費用の区別

寄附金との区別

事業に直接関係ない人や会社などに金銭を贈与した場合は、原則として交際費等ではなく寄附金になります。一方、これらの人や会社に贈与したものが金銭ではなく物品などの場合は個々の実態に応じて交際費等になるのかそれとも寄附金になるのか判断する必要があります。

売上割戻しとの区別

得意先の事業者に支出する次のような費用(売上割戻し等)は交際費等になりません。

(1)金銭で支出する以下のもの
・売上高や売掛金の回収高に比例して支出する売上割戻し
・売上高の一定額ごとに支出する売上割戻し
・得意先の営業地域の特殊事業や協力度合などに応じて支出するもの

(2)物品の交付で以下のもの
・事業用資産
・購入単価がおおむね3,000円以下の物品

事業用資産とは
得意先が棚卸資産や固定資産として販売したり使用したりするもの
一方、得意先を旅行や観劇などに招待する場合は、たとえ旅行や観劇などへの招待が売上割戻し等と同様の基準で行われるものであっても(例えば一定額以上の売上があった場合には旅行に招待など)交際費等になります。

販売促進費(景品)との区別

製造業者や卸売業者が得意先に対して行う景品引換券付販売または景品付販売で交付する景品のうち、次の要件を全て満たすものは交際費等になりません。

・購入単価がおおむね3,000円以下の景品
・製造業者や卸売業者が交付する景品の種類や金額を確認できる

販売奨励金との区別

販売促進のために特定の地域の得意先事業者に交付する次のものは交際費等になりません。ただし販売奨励金等の効果が1年以上ある場合は繰延資産になります。

・金銭で支出する販売奨励金
・販売奨励のために交付する事業用資産

事業用資産とは
得意先が棚卸資産や固定資産として販売したり使用したりするもの

販売奨励金等が旅行や観劇などの負担金として支出されるものである場合は交際費等になります。

情報提供料との区別

情報の提供や取引の媒介、代理、あっせんなどを業としていない者(その取引相手の従業員などを除く)に支給する情報提供料等で、次の全ての要件を満たすものは交際費等になりません。

・情報提供料等が契約に基づいて支払われていること
・情報提供料等の内容が契約で具体的に明らかにされていて実際に役務の提供を受けている
・情報提供料等として交付した金品の価額が妥当なこと

広告宣伝費との区別

広告宣伝費のうち次のようなものは交際費等になりません。

(1)広告宣伝のために不特定多数の者に交付する以下の金品
・製造業者等が抽選で一般消費者に交付する金品や旅行や観劇等への招待
・製造業者等が金品引換券付販売に伴い一般消費者に対し交付する金品
・製造業者等があらかじめ広告宣伝して商品を購入した一般消費者を招待する旅行、観劇等
・小売業者が商品の購入をした一般消費者に対する景品
・一般の工場見学者等に対する製品の試飲、試食
・得意先等に対する通常の見本品、試用品
・製造業者等が自己の製品等のモニターに支払う通常の金品

(2)広告宣伝のために多数の者に通常交付する以下の物品
カレンダーや手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなど

福利厚生費との区別

社内行事で支出される次のような費用は福利厚生費になりますので交際費等にはなりません。

・創立記念日、国民祝日、新社屋落成等で従業員等におおむね一律に供与する通常の飲食
・慶弔や禍福で一定の基準に従って支給される金品(元従業員や親族に支給する場合を含む)

災害復旧支援の費用との区別

災害被災者のために支出する次のような費用は交際費等になりません。

・災害を受けた取引先の復旧を支援するために復旧期間中に行う売掛金、貸付金などの免除
・取引先との被災前の取引関係の維持や回復のために復旧期間中に支出する災害見舞金など
・不特定多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供

給与との区別

従業員等に支給する次のようなものは給与になりますので交際費等にはなりません。

・常時給与される昼食など
・自社商品などを原価以下で従業員等に売った場合の原価との差額(例:原価1万円の商品を7千円で売った場合の差額3千円)
・機密費、接待費、交際費、旅費などの名目で支給した金銭などのうち業務のために使用したことが明らかではないもの(業務のために使用したことが明らかなものは実態に応じて交際費等になるか他の費用になるのか判断します)

セールスマン等のための費用との区別

セールスマン等に対する以下の費用は交際費等になりません。

(1)製造業者や卸売業者などが自己のセールスマンや特約店等に専属するセールスマンに支出する次の費用

・慰安のために行う通常の運動会、演芸会、旅行など
・慶弔、禍福で一定基準に従って交付する金品
・取扱数量や取扱金額に応じてあらかじめ定められた基準によって交付する金品

(2)製造業者や卸売業者などが専ら自己の製品を取り扱う特約店等の従業員等に支出する次の費用

・取扱数量や取扱金額に応じてあらかじめ定められた基準によって交付する金品

会議費との区別

会議のための支出で以下のものは交際費等になりません。

・社内又は通常会議を行う場所で供与される通常の昼食の程度を超えない飲食
・一人あたり5,000円以下の飲食
・製造業者または卸売業者が特約店などを旅行や観劇等に招待して、あわせて会議を開催した場合に会議に通常要する認められる費用

製造業者または卸売業者が特約店などを旅行や観劇等に招待して、あわせて会議を開催した場合、会議を開催するのために通常要する費用は交際費等にはなりません。ただし会議という名目であっても会議の実態がない場合や実質的に接待である場合などは交際費等になります。

現地案内費との区別

現地案内費等に通常要する費用で以下のものは交際費等になりません。ただし、これらの費用でも通常要しないもの(宴会や豪華すぎる宿泊など)は交際費等になります。

・ 不動産販売業者が土地を販売する一般の顧客を現地に案内する場合の交通費や食費、宿泊費
・ 旅行あっせん業者が団体旅行の旅行先の決定などのために団体の責任者などを事前に旅行予定地に案内する費用
・ 展示会などに得意先などを招待する場合の交通費や食費、宿泊費
・ 自社製品等の知識普及などのため得意先などその製品等の製造工場等を見学させる場合の交通費や食費、宿泊費

業務委託費との区別

下請け企業の従業員等に対して支給する以下のものは交際費等になりません。

・工場や工事現場等で業務の遂行に関連して災害を受けた下請企業の従業員等に自己の従業員等に準じて支給する見舞金品
・工場や工事現場等で無事故等の記録が達成されたことに伴い、その工場や工事現場等で経常的に業務に従事している下請企業の従業員等に自己の従業員等とおおむね同一基準で支給する表彰金品
・検針員や集金員などの業務に専属的に従事している下請け企業の従業員等の慰安のために通常行われる運動会、演芸会、旅行等の負担金
・ 自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等や親族等の慶弔、禍福で一定の基準に従って支給する金品

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2.3.3 交際費等を支出した場合

法令等

この記事は2018年12月31日現在の法令等に基づいて書かれています。