2.3.2 使用人給与(給与、賞与)の取り扱い

法人税では役員に対して支給する報酬や賞与の損金算入に一定の制限がありますが、使用人に対して支給する給与については原則として損金に算入できます。ただし、一定の場合には使用人に対する給与でも損金算入に制限などがあります。

特殊関係使用人に対する給与

使用人に対する給与は原則として損金になりますが、損金算入に全く制限がないと経営者が配偶者や子供など、自分と特別な関係がある人を使用人(特殊関係使用といいます)として雇用し、その人に高額な給与を支給することによって法人税の負担軽減を図ることができてしまいます。

そこで、法人税では特殊関係使用人に対する給与が高額すぎる場合、その高額過ぎる部分は損金にできないことになっています。特殊関係使用人に支給する給与については、その勤務に見合った金額でないと損金にできないということです。

法人税では次のものを給与といいます。したがって賞与であっても高額過ぎれば損金算入が制限されます。
・定期的に支給される給与(月給など一般的な給与)
・ 賞与
・ 経済的利益(無料で土地や家を貸しているなど)
・ 退職給与

特殊関係使用人とは

特殊関係使用人とは役員の親族など次の(1)から(4)の人をいいます。

(1)役員の親族
具体的には、役員の①6親等内の血族、②配偶者、③3親等内の姻族のことです

(2)役員と事実上婚姻関係にある人
役員の内縁の妻や夫のことです

(3)役員から生活費の援助を受けている人
役員から受け取ったお金や財産、またはその運用益を生活費に充てている人のことです

(4)(2)または(3)と同一生計の親族
必ずしも同居の親族とは限らず、例えば(2)や(3)と離れて暮らす親族でも、(2)や(3)から仕送りを受けているような場合も含みます

高額すぎる部分(不相当に高額な部分)とは

特殊関係使用人の給与が高額過ぎる場合、その高額すぎる部分(不相当に高額な部分といいます)は損金になりません。ただし、損金に算入されないのは不相当に高額な部分ですので、給与として相当な金額の部分は損金になります。

不相当に高額な給与であるかないかについては、次の給与の区分に応じて、それぞれの方法で判断することになっています。

通常の給与や賞与、経済的な利益の場合

特殊関係使用人の職務内容法人の経営状況他の使用人の給与類似する法人の使用人給与などから考えて不相当に高額であるかどうかを判定します。

退職給与の場合

特殊関係使用人が業務に従事した期間退職の事情類似する法人の使用人退職給与などから考えて不相当に高額であるかどうかを判定します。

ただし、実際のところ不相当に高額かどうかを納税者自身が判断するのはとても難しいです。税理士などの専門家に相談して損金に算入される範囲内で特殊関係使用人の給与を決めることが節税のために大切です。

使用人に支給する賞与の損金算入時期

使用人に支給する給与については支給形態に応じて損金に算入する時期が決められています。

労働協約や就業規則で定めている支給予定日が到来している賞与

次の要件を全て満たす場合は、支給予定日と通知日のうち遅い日の属する事業年度の損金になります。

(要件)
・使用人に支給額を通知していること
・支給予定日または通知日の属する事業年度に損金経理していること
(損金経理とは費用または損失として経理処理することです)

翌事業年度開始から1カ月以内に支給する賞与

次の要件を全て満たす場合は、支給額を通知した日の属する事業年度の損金になります。

(要件)
・支給を受ける全ての使用人に支給額を個別に通知していること
・通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から1月以内に支給していること
・通知した日の属する事業年度に損金経理していること

それ以外の賞与

支払った日の属する事業年度の損金になります。

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2.3 損金の計算の基礎

法令等

この記事は2018年11月30日現在の法令等に基づいて書かれています。