1.2 事業年度とは

会社は定期的に利益額を計算して法人税の申告を行って納税しないといけませんが、いったいいつからいつまでの期間の利益を申告・納税すればよいのでしょうか?今回は法人税を計算するための基礎となる期間、事業年度について解説します。

事業年度

法人税では法人の利益を定期的に計算して申告・納税をしないといけませんが、この法人税を計算する期間のことを事業年度といいます。したがって、法人税を正しく申告・納税するためには事業年度の定義を正しく理解しないといけません。

(例)事業年度が4月1日から3月31日までの場合のイメージ

会計期間が定められている場合

法人は一定期間ごとに決算を行って貸借対照表や損益計算書などの財務諸表(いわゆる決算書)を作成しますが、この一定期間のことを会計期間といいます。

会計期間が法令や定款などで定められている場合は、会計期間がそのまま法人税の事業年度になります。したがって、このような場合、会社の決算期間と法人税の計算期間は一致します。多くの会社がこのケースに該当します。

(例)定款で会計期間を4月1日から3月31日と定めている会社
定款で定めた会計期間と法人税の事業年度は同じになります。この場合、4月1日から3月31日が事業年度になります。

(例)定款で会計期間を1月1日から6月30日、7月1日から12月31日と定めている会社
半年ごとというやや変則的な会計期間ですが、やはり定款の会計期間が法人税の事業年度になります。この場合、1月1日から6月30日、7月1日から12月31日が事業年度になります。

ただし、会計期間が1年を超える場合は、会計期間開始の日から1年ごとに区分した各期間が、それぞれ事業年度になります。

(例)従来4月1日から3月31日が会計期間でしたが、決算期を変更したため2018年4月1日から2019年9月30日までの1年半が会計期間になった場合
会計期間が1年を超えた場合、会計期間開始の日から一年ごとに区分した各期間が事業年度になります。この場合、2018年4月1日から2019年3月31日、2019年4月1日から2019年9月30日がそれぞれ事業年度になります。


会計期間が定められていない場合

多くの会社は定款で会計期間を定めていますが、会計期間は定款の任意的記載事項ですので必ずしも定款で定めないといけないわけではありません。会計期間が法令や定款などで定めていない場合、法人設立後2カ月以内(※1)に税務署長に会計期間を届け出たときは、その届け出た会計期間が事業年度になります。

ただし、届け出た会計期間が1年を超える場合は、会計期間開始の日から1年ごとに区分したそれぞれの期間が事業年度になります。

(※1)公益法人等や人格のない社団等については収益事業を開始した日から2カ月以内、収益事業を行っていなかった公益法人等が普通法人や協同組合等になった場合は、普通法人や協同組合等になった日から2カ月以内

法人設立後2カ月以内に税務署長に届け出なかった場合は、税務署長が事業年度を決めることになっています(※2)

(※2)人格のない社団等の場合は1月1日から12月31日になります。

みなし事業年度

通常の事業年度ではうまく法人税を計算できない場合があります。例えば会社が事業年度の途中で解散したり合併により消滅した場合、事業年度の途中で会社がなくなってしまうからです。

このような場合は、一定の期間を事業年度とみなして法人税を計算することになっています。このような期間をみなし事業年度といいます。

4月1日から3月31日が事業年度の会社が2018年10月1日に吸収合併された場合
2018年10月1日に吸収合併され消滅してしまっていますので、その前日まで、つまり2018年4月1日から2018年9月30日をひとつの事業年度とみなして申告・納付します。


この場合では確定申告のときには既に吸収合併されて会社が消滅しているので、合併によって事業を引き継いだ会社が代わって申告・納税します。

法令等

この記事は2019年1月31日現在の法令等に基づいて書かれています。