1.1 法人税の納税義務者

会社が利益を得たら法人税を納めないといけません。でも同じ法人であっても宗教法人は納税義務がないとか、NHKは税金を納めないでOKとか聞きますね。今回は法人税の納税義務者について解説したいと思います。

法人の種類と法人税

一口に法人と言っても儲けるために事業を行っている法人と、世のため人のため営利を目的としない法人とでは大きく異なります。そこで法人税法では内国法人を以下の5種類に分けて、それぞれ法人税を課税する範囲を変えています。

普通法人

法人のうち大部分が普通法人とよばれ、株式会社も普通法人の一つです。具体的には株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、一般社団法人、一般財団法人、医療法人などが普通法人になります。

・課税対象
全て儲けに対して法人税を納めないといけません。

公共法人

公共法人とはその名のとおり公共的な法人で、具体的には地方公共団体、日本放送協会(NHK)などをいいます。

・課税対象
公共的な法人ですので法人税は課税されません。つまりどんなに儲かっても法人税を納める必要がありません。

公益法人等

公益法人等とは、公益を目的とする法人で、具体的には宗教法人、学校法人、公益社団法人、公益財団法人などをいいます。

・課税対象
収益事業を行った場合、収益事業の儲けに対してだけは法人税を納めないといけません。

収益事業とは?
収益事業とは、販売業や製造業等の収益を得るための事業で継続して事業場を設けて行うものをいいます。
例えば、学校法人が行う教科書や制服等の販売(物品販売業)や宗教法人が所有する土地で行う駐車場経営(駐車場業)は収益事業になりますので、これらで得た利益については法人税の納めないといけません。
ただし、収益事業は収益を得るための事業で「継続して事業場を設けて行うもの」ですので、例えば学校法人が年に1、2回程度バザーを開催して利益を得たとしても、継続して事業場を設けているとは言えないため収益事業にはなりません。したがってこのようなケースでは利益を得たとしても法人税を納める必要はありませんが、頻度が高くなると法人税の納税義務が発生する可能性があります。

協同組合等

協同組合等とは組合員の相互扶助を目的とするもので、具体的には農業協同組合、漁協共同組合、信用金庫などをいいます。

・課税対象
全て儲けに対して法人税を納めないといけません。

人格のない社団等

人格のない社団等とは、法人ではない社団又は財団で代表者又は管理人が定められているものをいいます。具体的にはPTAや同窓会、同業者団体などです。

・課税対象
収益事業を行った場合、収益事業の儲けに対してだけは法人税を納めないといけません。

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法令等

この記事は2019年10月31日現在の法令等に基づいて書かれています。また、記事の内容は税法の一般的な取り扱いについての解説ですので、個別の事例につきましては税理士等の専門家にご相談ください。