現在、多くのクラウド会計を利用することができますが「どこが違うのかよくわからない」と言った声を耳にすることがあります。
当サイトではクラウド会計3選としてfreee、MFクラウド、弥生オンラインをおすすめしていますが、今回はそれぞれの特徴を比較したいと思います。
ポイント1:freee、MFクラウド、弥生会計オンラインのいずれも信頼できる
ポイント2:タイプ別おすすめのクラウド会計
「簿記はそれほど得意ではない」→freee
「簿記が得意」+「経理業務の効率化重視」→MFクラウド
「簿記が得意」+「従来の経理方法を大きく変えたくない」→弥生会計オンライン
市場シェア
・弥生会計オンラインが市場シェアNo1.を誇っているが法人に限るとfreeeがリード
まず最初に市場シェアです。「市場シェアが高いから良い、低いから悪い」とは言い切れませんが、やはりある程度市場シェアが高いということはそれだけ多くのユーザーから支持されていることになるので、クラウド会計を使い始める上での安心材料になります。
MM総研が公表した「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2019年3月末)」「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査」によれば、freee、MFクラウド、弥生会計オンラインのいずれもが十分な市場シェアを誇っており、この点からは信頼できるクラウド会計であると考えて良さそうです。
freee |
MFクラウド |
弥生会計オンライン |
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市場シェア(※1) | 21.1% | 16.8% | 56.7% |
法人市場シェア(※2) | 32.3% | 19.2% | 15.4% |
(※1)出典:MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2020年4月末)」 2019年5月19日
(※2)出典:MM総研「クラウド会計ソフトの法人導入実態調査」 2017年9月26日
シェアについては調査機関や調査対象によって結果が異なりますが、3つのクラウド会計が大きなシェアを誇っていることに変わりありません。
利用料
・弥生会計がやや割安に思えるが、それほど大きな違いはない
クラウド会計は従来型の買い切りの会計ソフトとは異なりソフトをインストールすることなく利用できる反面、毎月の利用料を支払う必要があります。
それぞれサービス内容が異なるため一概には比較しにくいのですが、個人事業主は年間で1~3万円程度、法人は3~5万円程度となっています。長く利用する場合には買い切りの会計ソフトよりも高くなるかもしれませんが、経理処理が大幅に効率化できることを考えるとそれだけの価値があるように思えます。
freee |
MFクラウド |
弥生会計オンライン |
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個人事業主 (年間) |
スターター11,760円 スタンダード23,760円 プレミアム39,800円 |
ライト11,760円 パーソナル23,760円 プラス35,760円 |
セルフ8,000円 ベーシック12,000円 トータル20,000円 |
法人 (年間) |
ミニマム23,760円 ベーシック47,760円 プロ477,600円 |
スモール35,760円 ビジネス59,760円 エンタープライズ応相談 |
セルフ26,000円 ベーシック30,000円 |
(※)2020年4月現在
無料利用期間
クラウド会計は日々使用するソフトですので、導入してみた結果「思っていたイメージと違う」「自社の外部システムと連携ができない」といったことがあっては困ってしまいます。
いずれのクラウド会計も無料利用期間を設けているため、まずはお試しで使い比べてみてからどれにするのか決めるのがおすすめです。
freee |
MFクラウド |
弥生会計オンライン |
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個人事業主 (年間) |
1カ月間無料 | 1カ月間無料 | セルフプラン 1年間無料 |
法人 (年間) |
1カ月間無料 | 1カ月間無料 | 無料体験プラン 最大2カ月無料 |
(※)2020年4月現在
機能
・freeeは、借方貸方を意識させない仕様になっていて経理初心者におすすめ
・MFクラウドは、オーソドックスな形式のため経理経験者におすすめ
・弥生会計オンラインは、オーソドックスで使いやすいが経理業務の省力化では出遅れ気味
クラウド会計の強みは何と言っても多彩な機能による経理業務の自動化です。いずれも素晴らしいクラウド会計ですが経理業務の自動化という観点からはfreeeとMFクラウドが一歩リードしている印象です。
なお、それぞれのクラウド会計ごとに特徴がありますので、当サイトのレビュー記事(リンクはこの項の最後)も是非参考にしてみてください。
freee |
MFクラウド |
弥生会計オンライン |
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データ入力の特徴 | 借方貸方を意識せさない入力のため経理未経験者でも使えるが、経験者は最初戸惑うかもしれない | 経理経験者には使いやすいが、最低限の簿記の知識がないと難しい | 経理経験者に使いやすいが、最低限の簿記の知識がないと難しい |
帳簿の特徴 | 補助科目の代わりに「取引先」「品目」「部門」のタグで残高を管理する形式 | 「勘定科目」と「補助科目」を使ったオーソドックスな形式 | 「勘定科目」と「補助科目」を使ったオーソドックスな形式 |
スマホアプリ | ◎ 使える機能が非常に多い |
○ 使える機能が多い |
△ 使える機能が限定的 |
ネットバンキング連携 | ◎ 連携銀行が非常に多い |
◎ 連携銀行が非常に多い |
○ 連携銀行が多い |
クレジットカード連携 | ◎ 連携カードが非常に多い |
◎ 連携カードが非常に多い |
○ 連携カードが多い |
出力できるレポート | ○ 資金繰り分析やピポット分析など工夫されている |
○ 財務指標など工夫されている |
○ オーソドックスで使いやすいレポート |
請求書発行 | ◎ 請求書発行から債権管理までシームレスなフロー |
◎ 請求書発行から債権管理までシームレスなフロー (MFクラウド請求書) |
△ (やよいの見積・納品・請求書) |
在庫管理 | △ freeeに在庫管理機能はないため他社ソフトを使用する必要がある |
△ MFクラウドに在庫管理機能はないため他社ソフトを使用する必要がある |
△ (弥生販売) |
経費精算 | ◎ 承認フローに基づいた経費精算が簡単にできる |
◎ 承認フローに基づいた経費精算が簡単にできる (MFクラウド経費) |
△ (外部ソフト) |
給与計算 | ◎ 給与計算から会計転記までがシームレスなフロー (人事労務freee) |
◎ 給与計算から会計転記までがシームレスなフロー (MFクラウド給与) |
△ (やよいの給与明細オンライン) |
当サイトのレビュー記事 | freeeの使い勝手とは?画像を使って一挙紹介! | マネーフォワードクラウドの使い勝手とは?画像を使って一挙紹介! | 弥生会計オンラインの使い勝手とは?画像を使って一挙紹介! |
(※)評価は当サイトのによるものですので参考程度にお考え下さい。またプランによって使える機能が異なるため、事前に各プランの機能をご確認の上、お試しで無料利用されることをお薦めします。
サポート体制
いずれのクラウド会計も大きなシェアを誇るだけに、充実したサポート体制が構築されており、安心して利用することができます。
特に弥生会計オンラインでは「仕訳相談」や「経理業務相談」「マイナンバー相談」など、ソフトの操作以外のことまでサポートしてもらえるため、経理業務に慣れていない方にとってはとても心強いサポートと言えるでしょう。
freee |
MFクラウド |
弥生会計オンライン |
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サポート体制(※) | チャット メール 電話 |
チャット メール 電話 |
チャット メール 電話 仕訳相談 経理業務相談 マイナンバー相談など |
(※)サポート内容はプランによって異なります
総評&おすすめする方
freee |
MFクラウド |
弥生会計オンライン |
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総評 |
記帳ソフトとしてだけではなく経理業務全体の効率化を図ることが可能。会計知識がそれほどない方でもある程度使える設計になっています。 | freeeと同様に経理業務の省力化に大きく貢献する機能を有しています。借方貸方といった基礎的な会計知識のある方に馴染みやすいです。 | インストール型会計ソフトユーザーにとっては馴染みやすい。経理業務の自動化ではfreeeやMFクラウドに一歩リードされている印象。 | |
おすすめ する方 |
簿記 | それほど得意ではない方 |
得意な方 | 得意な方 |
効率化 | 効率化を優先したい方 | 効率化を優先したい方 | 従来の方法を 大きく変えたくない方 |